2001年2月〜2002年9月掲載
   

 

 






健康ジャーナル社編集部スタッフが、現在進行形の雑誌・単行本の編集こぼれ話、心に留めておきたいこと、怒り、愚痴(?)などを綴ったページです。どうぞごらんあそばせ。

 

30代も終幕を迎え、僕の友人達も、切実に「健康」に関する不安や悩みを抱えるようになってきました。

「痛風3兄弟」にはじまり、「ガラスの腰」の持ち主、体脂肪に怯える面々(この中には僕も混じっています)など、さまざまなテーマと向き合い、そこからはい上がるべく努力を続けているのです。

酒の席でもあそこが痛い、ここが痛いとか、どこどこの温泉はこんな効能があるとか、中には市販の薬に関してのランク付けまでする友人もいて、これは20年前には想像もつかなかったことです。酒量はすっかりと落ち着き、注文するものも、カロリーやら栄養素などを吟味した上、満場一致の賛成が得られないと注文には至りません。超大盛りうどんや30倍辛いカレーに喜々として挑戦していたあの頃と比べれば、たいした「成長ぶり」ですね、ちょっと寂しい気もしますが。

その中に、昨年椎間板ヘルニアを患った友人がいます。ヤツは印刷会社の営業をしているのですが、激務やストレス、不規則な生活習慣のために回復が遅く、いまだにコルセットが手放せないという状態です。

それでもヤツは、自分が会社を支えているんだ、という気概で、仕事には情熱を持って接していました。しかしこの不景気。会社の業績はどうも下降気味のようで、健康だけでなく、将来についても漠然とした不安を持つようになってしまったということなのです。

ヤツがそういう気持ちになった、というだけで僕たちは驚きです。なにしろ、学生時代からヤツの豪快ぶりは他を圧倒していて、酔っぱらってホテルの壁を壊したり、若い衆(?)との喧嘩はしょっちゅう、くじ運は強く、そのくせ盗難に遭うことも何度もあり(これは豪快とはちょっと違うかな)というヤツなのですから、時の流れとは……と思わずにはいられません。

で、先日ヤツから相談を受けました。
「オレ、整体師になろうと思うんだけど、どういうルートがあるのか教えてくれない?」
僕は思わず、オリンピックの体操選手のようにのけぞってしまったのです。

ヤツが言うには、これから一生続けられる、やりがいのある仕事をするには、手に職をもつことが一番だ。自分も体を壊して、健康のありがたみが嫌というほど分かった。だから、これからの人生は、同じような苦しみをもっている人の、少しでも力になれるようなことがしたい――。

僕は口を開けっ放しで、熱っぽく語るヤツの顔を見ていました。人って、変われば変わるものなんだなあ、という「極み」のようなものです。確かにここ10年間ほどで、ヤツの周りにはいろいろな出来事がありました。弟とお母さんが次々に亡くなり、お父さんも病気がち。健康に関して、深く考えなくてはならない場面に何度も遭遇したことでしょう。また、僕には言っていない出来事も、数え切れないほどたくさん遭ってきたに違いありません。こんなことを言うと、ヤツは死ぬほど嫌がるのが分かっていたから言いませんでしたが、「ホント、成長したんだなあ」と心から思いました。

さっそく僕は仕事でお付き合いのある整体の先生に、いろいろな情報を聞いたりして、ヤツに電話をかけてみました。すると、ヤツはすでに自分でそれらのことを調べ上げ、もう専門学校への願書も提出し、現在試験勉強に勤しむ毎日だとのこと。会社は今年いっぱいで辞め、来年からはバイトをしながら勉強をするのだと意気揚々です。どうも本気です。40を前にして、これはなかなかできない決心です。

いくつになっても夢を持ち続けることは素晴らしいことです。僕は精一杯ヤツを応援するつもりでいますが、僕自身も負けずに、ずっと夢を追い続けていきたいなと思っています。どんなにつらいことがあっても、どんなに嫌なことがあっても、それは、その先にある「なにか」に向かっている最中なのだと思えば、きっと楽しいことに変換されるのでしょうから。

(S.Y)


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