2001年2月〜2002年9月掲載
   

 

 






 皮膚から侵入する合成界面活性剤

 日本の夏はうだるような暑さで、毎日子どもは汗びっしょり。洗濯機はフル回転です。さっぱりと洗い上がった衣類は、たしかに気持ちのよいものですが、手軽に使っている合成洗剤の危険を知っていますか?

 衣類の汚れは実にさまざまなので、すべてを水だけで落とすことはできません。そこで、落ちにくい油汚れも水に溶かし込んで落とす、界面活性剤が登場します。ひとくちに界面活性剤といっても、大きく分けてせっけんと合成界面活性剤があり、普段なにげなく使っている洗濯洗剤や台所用洗剤のほとんどには、合成界面活性剤が含まれています。なかでも洗濯洗剤は、直接口に入るものではないためか、その毒性が見逃されがちです。

 水も油も溶かす合成界面活性剤の怖さは、皮膚からの侵入にあります。皮膚というのは、あらゆる物質や病原体から細胞を守っている大切な砦。ところが、合成界面活性剤は、皮脂を溶かすためにバリア機能が損なわれ、免疫力や抵抗力も低下します。そのため細菌感染やアレルギーを起こしやすくなるのです。あまり知られていませんが、厚生省の調べによる家庭用品健康被害のトップは、毎年洗剤・洗浄剤による皮膚障害なのです。

 きれいにすすいでいるつもりでも、実際には洗剤の成分がかなり繊維に残留していて、特に長時間肌に接する肌着からの吸収が危険視されています。マウスを使った実験では、皮膚から吸収した合成界面活性剤が肝臓、腎臓を侵すほか、あらゆる臓器からも検出されています。

 合成界面活性剤は、精子を殺す

 合成界面活性剤はタンパク質を変性させる性質もあります。タンパク質はアミノ酸の集まりであるポリペプチドが結合してできていますが、ポリペプチド同士を切り離して、結合できなくしてしまうのです。このタンパク質変性作用によって、いったん荒れてしまった肌は、容易に回復しないのです。

 また合成界面活性剤が人間の細胞を死滅させる力を利用した製品があります。精子を殺す目的で使われる、避妊フィルムです。魚やラットの実験では、催奇形性や妊娠率が低下するというデータもあります。

 このほかにも、発ガン物質を吸収しやすくしてしまう発ガン促進作用、体内の酵素の働きを悪くする酵素活性阻止作用、赤血球にダメージを与える溶血作用などなどが指摘されています。

 しっかり選んで賢く使おう

 合成界面活性剤の危険から子どもを守るために気をつけたいことは、下記の3つです。自分の身を守りきれない子どものために、親であるみなさんが守ってあげてください。

(1) できるだけ安全なものを選ぶ

 洗剤には、様々な種類の合成界面活性剤が使われていますので、購入するときは少しでも体や環境に優しいタイプを選びたいもの。特売の洗剤の安さだけでに惑わされず、必ず表示を確認してください。毒性が強く、ぜひとも避けたいのはLAS、AS、AOS、AESと表示されている活性剤入りの洗剤です。

(2) 使用量を減らす
 あらかじめ水洗いや部分洗いをするだけで、ずいぶん洗剤の量を減らすことができます。また、習慣でつい多めに洗剤を入れてはいませんか? 本当に必要な量を、一度きちんと計ってみましょう。

(3) 表示をよく確かめる

 コンパクト洗剤など、少ない量でよく落ちるものは、実は合成界面活性剤がどっさり。多いものでは、全体の4割以上が合成界面活性剤というものもあります。購入するときは表示をよく見て、どのぐらい含まれているかも忘れずにチェックしましょう。

ご意見・ご感想はこちらまで

≫ページトップに戻る

≪ 前のページ
 
   
       
 

Copyright (C) KENKO JOURNAL , Inc All RightReserved