2001年2月〜2002年9月掲載
   

 

 






 始めにことわっておくと、この温泉には一般の人は入れません。「冷え取り健康法」を推奨している、とある会社の会員専用の温泉なのです。
 取材のため特別に入場させてもらったのですが、結構すごかったのでこっそり報告しちゃいますね。

お風呂データ
料   金: 大人1000円(18歳以下入場禁止)
住   所: 岐阜県羽島市
交  通: 東海道新幹線岐阜羽島駅下車すぐ
電   話: 秘密


 だいたい岐阜羽島って知ってますか? 名古屋から10分。新幹線が止まるという事実が奇跡的な駅。その殺伐とした駅前の風景は、かつての新横浜駅を思い出させる。
 …ということは将来的には、でっかいスタジアムができたり、いろいろ会社ができたりしちゃうわけ?
 
 というロマンあふれる駅の目の前に立っている温泉施設が「遊楽乃湯」であります。
 行くと入口でドアマンが笑顔で出迎えてくれます。重厚なドアをあけると円形のロビーが広がっています。
 入浴料として自動販売機で1000円のチケットを購入します。それから受け付けの人にそれを渡します。この人もものすごい笑顔です。そして、黄色いタオルを2枚くれます。

 女湯は1階なので、奥に誘導されるがままにすすむと靴箱があります。靴箱の鍵はそのままロッカーの鍵にもなるので、同じ番号表示のロッカーを探します。ロッカーはたくさんあります。全部で238個あるそうです。

 浴場に入ってまず目に飛び込むのはかけ湯コーナー。その先の正面に広がるのは半円形の大きな風呂。これはローマ風ということらしい。湯があふれだしている感じがすごくよろしい。

 その次に気になったのは、プールみたいな浴槽。あちらこちらで泡がぶおんぶおんいってる。各泡の上には、「ふくらはぎ」だの「もも」だの表示されていて、どうやら泡を各部位にあててマッサージできるようになっている。で、その泡の勢いがすごいのだ。イタイくらいに強い。とくに足裏にあてる泡がすごい。ぶをををを〜んっていう泡の勢いで、体が浮きあがってくるほどだった。やっぱり泡って、すごいと思う。感動を呼ぶよね。
 
 それからふと片隅の家庭風呂に目が留まった。乱暴な言い方をすれば、「冷え取り健康法」は「入浴剤を入れた泡風呂に入って体を芯から温める」っていう健康法なんだけれど、その健康法で使われている入浴剤と、気泡装置のお試しコーナーがあったのだ。
 入浴剤の缶が10個ほど一列に並んでいて、そこから自由にオレンジの粉をとって湯にまぜる。入浴剤は入れ放題。融解度限界まで入れたくなってしまう。それから気泡風呂装置のスイッチをオン。家庭風呂の中に2つ設置してあるから、とても贅沢。さっきのプールの泡もすごかったけれど、こちらの泡はもっと小さい泡。ぷしゅぷしゅぷしゅと気のぬけかけた炭酸水のような泡が体を優しく包み込む。泡を両手ですくって見つめているうちに、あっという間に時間がたった。

 「ほかの浴槽にも入らなくちゃ!」と思い切って、その家庭風呂から出て、寝湯に向った。寝湯には黄色いスポンジの枕があって、今までいろいろ温泉行ったけど、こういう枕が置いてあるのは初めてだと思う。とても寝心地がよくて、泡もすごい強く足裏を刺激してきてすごい快感だった。

 それからお待ちかねの露天風呂へ。寝湯から見上げるのは、円形の蒼い空。

 さらにはスチームサウナもあったので、そこもチェック。乾式よりスチームのほうが、肌に負担がかからないんだってね。心なしかしっとりしてきたかんじ。

 洗い場もひとつひとつ仕切りがあるタイプだから、隣りを気にせずに思いっきり洗髪アンド洗顔、洗体。備え付けのシャンプー、リンス、ボディソープはすべて冷え取り用の高級なもの。温泉施設でいつもと違うシャンプー使って髪がゴワゴワになったらどうしよう、っていう悩みを持っている女性って結構いると思う。だけれどこれなら安心。 

 後ろ髪を引かれるような思いで浴場を後にし、階上のくつろぎルームへ。無料の冷え取りドリンクを手に、ソファに深々と腰掛け、外の風景を見る。冷え取り会社の大きな看板が目に飛び込んでくる。1年前までこんな世界があることすら知らなかった。知らなかった私も私だし、知ってる私も同じ私だなんて不思議だな。感傷にひたる真夏の夜の夢。
  
評価…A



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