2001年2月〜2002年9月掲載
 

 

 


日本人のガンのトップは、以前は胃ガンでした。それが、ここ数年で大腸ガンになる人の数が急増して、いまや胃ガンを抜いてしまう勢いなのです。どうも現代型の食生活、生活習慣などが関わっているようなのですが……。

 便秘や下痢で悩んでいませんか?  

 便秘や下痢、アトピー、思春期が過ぎても消えないニキビ、強い口臭などの症状は、腸の機能が正常でない証拠です。  
このような腸の中は、体に悪影響を及ぼす腸内細菌(悪玉菌)が腸内を支配している状態になっています。
 放っておくと、腸が腐敗し、その腐敗が体全体に広がって、不快感や美容のトラブルだけでなく、肝臓障害、大腸ガンなどさまざまな病気の引き金となってしまいます。  
 そんな病気になりたくない人は、これから先を読んで、今日から早速、腸内環境を整えましょう。

 腸の中ってどうなってるの?  

 腸内にはおよそ100種類、100兆個もの細菌が住みついているといわれています。これらの中には、人間にとって良い影響を与える「善玉菌」や悪い影響を及ぼす「悪玉菌」、両方の菌のパワーがなくなったときに一斉に活動をはじめ、猛威をふるう「日和見菌」がいます。  
 善玉菌や悪玉菌は、人間の健康状態や食生活などによって、その数が増減します。善玉菌が優勢な腸内は健康な状態といえるのですが、悪玉菌が優勢になってしまうと、さまざまな病気になってしまいます。


 お腹の中は、3才までに決まってしまう  

 これらの細菌は、ひとつひとつがばらばらに生息しているわけではなく、同じ種類ごとに集まって住みついています。この縄張りのことを「腸内フローラ」といいます。フローラとは「花畑・草むら」という意味です。  
 常に腸内に生息する菌を「定住菌」、一時的に取り込まれて通過していく菌を「通過菌」と呼んでいます。  
 定住菌の種類は、離乳期から3歳までに決められてしまうといわれています。赤ちゃんのころから善玉菌をたくさん摂り、健康な腸内フローラを形成することが大切です。

 善玉菌と悪玉菌  

 善玉菌の代表としては、ビフィズス菌やアシドフィルス菌などの総称である乳酸菌が挙げられます。役割は、 
  @悪玉菌の生産する毒物を分解し、  
  A腸内の腐敗を抑え、  
  B腸の運動を促して便秘を予防、  
  C下痢を予防、治療する、  
  D免疫細胞を活性化する、  
  EビタミンB1やB2を作り出す、  
  F発ガン物質を分解する
 などです。  
 悪玉菌の代表格的存在は、ウェルシュ菌です。ウェルシュ菌は、腸内のたんぱく質やアミノ酸を腐敗させて有害物質を作ったり、発ガン物質を作り出します。また、インドール、スカトールなどの有害なガスを発生させ、肝臓に負担をかけてしまいます。年齢を重ねるにつれて増えていく菌で、老人の便が臭いといわれているのは、この菌が大幅に増加して、便を腐敗させているからなのです。

 こんな生活習慣が危ない!  

 恐いことに、いわゆる現代型といわれる生活が、腸にとっては最悪の生活なのです。あなたは、次のうち、いくつ当てはまりますか?

@食物繊維の不足  
 食物繊維の少ない洋食やインスタント食品が花盛りです。とくに和食は食物繊維が豊富で、理想的な食べ物なのに、若者中心に和食離れが進んでいます。  
 食物繊維は、善玉菌のえさになったり、腸の蠕動運動を活発にして、腸内を掃除します。

Aストレス  
 現代人はさまざまなストレスを抱えています。ストレスを受けると、腸の蠕動運動を鈍くさせ、胃酸や腸液の分泌も悪くなり、腸内細菌のバランスが崩れます。  
 ストレスは、自律神経を狂わせ、体温調節の利かない「冷え」の体質を作ってしまいます。これも腸内フローラを乱す原因になってしまいます。

B不規則な生活  
 夜型の生活がパターン化され、体温を上げる大事な役割を持った朝食を抜く人が増えました。また、冷飲食が習慣となり、過度の冷暖房の普及などで、体温調節機能が低下し、自律神経失調に陥る人が増えています。そのようなこともあり、最近、平均体温が36度以下という低体温の人が増えたといわれています。体の「冷えた」人は、腸の働きが鈍くなり、悪玉菌優勢の腸内フローラを作ってしまいます。

C便秘薬  
 便秘薬は便秘を治す薬ではありません。とりあえず便を排出させる“下剤”と考えていたほうがいいでしょう。ですから、まだ消化してない栄養素も流してしまい、体力が落ち、倦怠感が続き、病気に対する抵抗力がなくなってしまう恐れがあります。腸内フローラは更に悪化し、しかも、便秘薬の服用が習慣になると、薬がないと排便できない体質になってしまうのです。

D抗生物質  
 なにかあるとすぐに抗生物質を服用する人がいます。抗生物質は体内の菌を殺す役割があるのですが、善玉菌、悪玉菌の区別をすることなく殺してしまうのです。ですから抗生物質の長期摂取で、腸内環境は悪化し、慢性の便秘やひどいときには大腸炎になってしまうケースもあります。

 悪い腸内フローラだとこんな病気に!  

 こういう生活を続けて、乱れた腸内フローラをそのまま放っておくと、便秘や下痢、口臭だけではなく、次のような病気の原因になってしまいます。

@肝臓障害  
 肝臓障害は、悪玉菌が発生させた有害ガスからも起こります。有害ガスは血管を通して送られた肝臓で解毒されます。しかし、悪玉菌により次々に有害ガスが発生すると、肝臓に負担をかけてしまい、その結果、肝不全などの障害が起こることもあるのです。

A老化・ボケ  
 歳をとると、善玉菌であるビフィズス菌の数が急激に減少し、悪玉菌が増加します。すると、免疫力が低下し、全身の老化へとつながっていくのです。また、アルツハイマーの人の腸内を調べてみると、ウェルシュ菌が著しく増加していました。老化を防ぐにはまず腸内フローラを整えることが必要なのです。

BO−157などの伝染病  
 たくさんの死亡者を出した伝染病「O−157」の犠牲になった人の多くは、子どもやお年寄りでした。これは体の免疫力が不完全、または低下している人が発症しやすかったということで、腸内フローラが整っていたら、死亡することはなかっただろうと考えられるのです。

C大腸ガン  
 日本人の大腸ガンによる割合が増加しています。増殖した悪玉菌が、つぎつぎに発ガン物質を作り出してしまったことが原因の1つです。日本人は米食の影響で、欧米人に比べて腸が約1m長く、より多くの食物繊維を摂る必要があるのですが、最近の食生活の欧米化で、食物繊維の摂取が減少して、ガン発症に拍車をかける結果になってしまいました。大腸ガンは、21世紀の死亡原因のトップになるだろうといわれています。

 赤ちゃんみたいなお腹になる!  

 善玉菌と悪玉菌の数は、その日の食事や生活習慣によって日々変化します。バランスの悪い食事や不規則な生活を続けていると、悪玉菌は増える一方です。善玉菌を効果的に増やすためには、どうすればいいのでしょうか?  
 便秘に苦しむ人の多くは、改善策として乳酸菌入りのヨーグルトや乳酸菌飲料を摂っているようですが、そのようなものに含まれる乳酸菌のほとんどは、胃酸に弱いのです。乳酸菌の代表としてよく知られているビフィズス菌も、胃酸に弱く、溶かされてしまい、大腸に届いた頃には、大部分が死んでしまいます。これでは、いくら食べても効果は期待できません。

@生きたまま腸まで届く「有胞子乳酸菌」を食べる!  
 現在注目されているのが、有胞子乳酸菌。胃酸に強い[芽胞]というカプセルを持った乳酸菌で、胃や十二指腸などの厳しい環境に耐え、確実に腸まで届く優れもの。腸まで届いた有胞子乳酸菌は、善玉菌を活性化して急激に増やし、悪玉菌の繁殖を抑えてくれます。とはいえ、有胞子乳酸菌は定住菌ではないので、腸内を改善するのはそのとき限り。だから一度摂ったからといって安心せず、毎日、摂り続けることが大切なのです。  
有胞子乳酸菌は、3種類あります。  
○ラクボン菌
善玉菌の良さのすべてを兼ね備えている乳酸菌。消化吸収を助け、免疫物質を作り、酵母菌のえさになる乳酸を作る働きがあります。  
○納豆菌
納豆に含まれている善玉菌が有胞子になったもので、有胞子納豆菌。腸の中でビタミンを作り出し、糖質、たんぱく質、脂肪を分解する働きがあります。  
○フェカーリス菌
有胞子ではありませんが胃酸に強く、確実に大腸まで届く乳酸菌。整腸作用にすぐれていて、ラクボン菌や納豆菌を助けます。

A善玉菌のエサになるオリゴ糖を食べる!  
 有胞子乳酸菌と一緒に摂ってほしいのが、オリゴ糖です。オリゴ糖は、腸内に住みついている善玉菌の栄養分となって、善玉菌をどんどん増やしてくれます。胃で消化・吸収されにくいので、腸内で乳酸菌のえさになります。

B便の材料になる食物繊維を食べる!  
 便を作るのに、欠かせない存在といえる食物繊維。1日の目標摂取量は20〜25gとされています。食物繊維は、水分を吸収して量をふやし、腸壁を刺激して腸の蠕動運動を活発にするほか、乳酸菌のえさになります。

C善玉菌の助っ人、酵母とビタミンを食べる!  
 乳酸菌は、酵母菌が作り出す酵母をエサにし、酵母菌は、乳酸菌が作りだす乳酸をエサにして増殖します。  
 ビタミンB群は、腸内で作られたビタミンを吸収しやすくし、善玉菌の働きを助けます。  
 ビタミンCは、腸内を清掃し、体に抵抗力をつけ、善玉菌の住みやすい環境を作り出します。

Dよい生活習慣を続ける!  
 入浴などによって36.5℃の体温を保つ、栄養のバランスを考えた食事、適度なストレス解消法を習得する、そして不規則な生活をあらため、睡眠をしっかりとる、などです。

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