2001年2月〜2002年9月掲載
 

 

 

梅雨があけたら、夏本番! 海に山にスイカにビアガーデンにと楽しい季節ですが、この特集を読んでいただいてからは、「冷えに対する注意が必要な季節」とも覚えてもらいたいのです。
確かに、日本の夏は湿気が多くて過ごしにくく、つい、体を温めることを忘れてしまいがちなのですが、現代の夏は、クーラー、冷飲食、栄養不良、薄着などいたるところに冷えの「落とし穴」が潜んでいるのです。
「夏は汗をたくさんかいて、老廃物を排出するチャンス」のはずが、「夏に体を冷やしたために、すっかり冷えの体質をつくってしまった」
ということにならないように、タイプ別に、夏の冷えの注意点をまとめてみました。

 現代の夏は危険がいっぱい

 風鈴にすだれ、夕涼み……。伝統的な日本の夏の姿はどこかへ消え、クーラーの効いた、一見快適な夏へと変貌しました。
 しかし、そのために地球温暖化が問題になり、オゾン層の破壊など深刻な状況を生んでいるのですが、地球が熱くなったかわりに、人間は「冷え」の恐怖にさらされるようになってしまいました。
 本来なら、夏はいっぱい汗をかくことで、体内の老廃物を排出することができるのですが、運動もせず、クーラーの効いた部屋でゴロゴロしていては、汗も出ません。また、血液の流れが滞るため手足は冷え、おまけにキンキンに冷えた飲み物や食べ物の摂り過ぎで、内臓までも冷えきってしまいます。
 内臓が冷えれば、その機能は衰え、食欲が減退するばかりか、下痢、便秘などさまざまな病気へと進行し、さらには慢性的な疲労感から「やる気感」の喪失、そして、生活習慣病へと突き進んでしまうこともあるのです。
 一日中家にいることの多いお母さんは特に、よほど自己管理をしないと、夏冷えの影響で辛い更年期を招きかねません。
 体を冷やす心配のなかった夏が、現在最も冷える、恐ろしい季節へと変貌してしまったことが、お分かりになったでしょうか


 夏は働く男性にとっても赤信号

 冷え症は一見女性だけの問題のように思われがちですが、最近は男性の、それも働き盛りの年代の冷え症が増えてきたようです。
 日夜闘い続ける企業戦士たちにとって、このストレス社会はなかなか過酷です。おまけに外回りで汗をかき、会社内では冷房の効いた部屋で一気に体が冷やされ、体温を調節する機能が狂ってしまいます。一日中オフィスでコンピュータに向かっているような人は、体温調節だけでなく、運動不足も心配です。
 食欲がないと、つい冷たいおそばなどで済ませてしまう、ビールだけは欠かさず飲んで体を冷やす、夜なかなか寝つけず、そのため昼間はぼんやりして、仕事の能率も上がらない……。思い当たるところはありませんか?
 また、30歳以下の若い世代の人は、子どものときからテレビゲームの普及などで、外で遊ぶ機会が少なく、骨格筋の発達があまりよくありません。加えて、成長期に食品添加物などで化学物質を多く摂取しているため、冷えの体質をすでに作ってしまっているのです。
 夏は汗をかいて、体内の有害物質を排出する絶好のチャンス。ぜひ、有意義に乗りきってもらいたいものです。

 自らを冷えの世界へ誘う「恐いもの好き」の女性たち

 流行とは恐ろしいもので、どう見てもオランウータンにしか見えない「山姥(やまんば)」メイクをする若い女性をあちこちで見かけます。お決まりは「ガングロ」、つまり日焼けした真っ黒な顔なのですが、過度の日焼けが、その後のシミ・ソバカス、また皮膚ガンの原因になることを彼女たちは知っているのでしょうか?
 現代の夏は、クーラーの効いた、冷えの恐怖にさらされた夏。しかし彼女たちは、へそ出しルック、ミニスカートなど、まるで自らを病気へと誘うかのようなファッションで、街へ繰り出して行きます。
 そして厚底の靴。見ているこちらがヒヤヒヤするような危なっかしい歩き方で、街を闊歩しています。足に合わない靴を履くことは、外反母趾の恐れがあるだけでなく、無理な姿勢で歩くことにより、余計な筋肉を酷使し、体の凝り、つまりは血の流れの滞りを呼び、冷えへの坂道を転げ落ちていくことも、ぜひ知っていてもらいたいものです。
 最後に無理なダイエット。食べなければ痩せるのは当然ですが、そうなると、当然栄養不足や血行不良に陥ってしまい、体の冷えから来るさまざまな病気が心配です。決して自分が思うほど周りは美しいとは思っていないはずですよ。

 現代社会の影響が深刻な「冷えた」子どもたち

 すぐキレる、体力低下、生活習慣病……。次代を担うはずの子どもたちが、いま大変な状況です。
 どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。
 原因はあまりに複雑で、1つに限定できません。しかし、結局は、子どもたちの体が冷えてしまっているために起こったことといっても過言ではないでしょう。
 夏は外で遊びまわり、汗をたっぷりかくのが子どもの「仕事」だというのに、このごろはクーラーの効いた部屋でテレビゲーム三昧。そして、体を冷やす糖分たっぷりの飲み物に、脂肪や添加物たっぷりのスナックやジャンクフード。学習塾、お稽古事などで忙しく、ストレスがたまり、またまた体を冷やしてしまいます。
 いま、凶悪な犯罪で新聞を賑わしている少年たちが育った時代は、テレビゲームの普及、成長とともにありました。これは単なる偶然でしょうか?
 子どもたちは、自分の健康について考えたり、体を守ることはできません。守ってあげられるのは、私たち大人なのですが、子どもが置かれている環境や、社会問題になっているさまざまな現象について無頓着な大人が多すぎます。反省すべきことです。

 夏冷えから体を守る6つのポイント

@なんといってもお風呂が一番!

 暑いからといって、シャワーだけで済ませるのは、冷えの大きな要因。38〜40℃のぬるめのお湯にゆったりと20分、半身浴が基本です。保温力効果のある入浴剤を入れて、さらに心も体もリラックス。心地よい眠りへと誘ってくれるでしょう。

Aクーラーの設定温度に気を付けて!
 今や、冷房の効いていない室内を探す方が大変な状況ですが、せめて家では冷房を切りたいもの。どうしても、というときには、時間を決めて、室外との温度差を5℃以内にとどめてつけるようにしましょう。

B食べるものに気を付けましょう!
 スーパーの野菜売り場で「季節」を感じることが少なくなった昨今ですが、夏の食材として知られているものを意識して食べるようにしましょう。ただし、夏の食材は「熱を取る」働きのあるものが多いので、しょうがやシナモンなどの体を温めるスパイスと一緒に摂るなどの工夫が必要です。

C着るものの素材を考えましょう
 汗をしっかり吸い取り、通気性のよい素材の下着、洋服を選んで着るようにしましょう。キャミソール、へそ出しルックなど、論外です。

D適度な運動を心がけましょう
 夏は、過度の運動は避けた方が無難でしょう。おすすめはウォーキング。ほどよく汗をかきますし、足の筋肉を動かすことによって、体内の老廃物を排出し、全身のすみずみまで血液が行き渡ります。

E3度の食事はしっかり摂ろう
 朝食は、就寝中に下がった体温を上げたり、体に一日の始まりを伝える大切な「儀式」。夏は食欲が衰えがちですが、決しておろそかにしないよう、心がけましょう。

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