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監修:大塚吉則(北海道大学医学部助教授)
体の「冷え」を取るためには、なんといってもお風呂が一番。
ゆっくりと温まって、その日の冷えはその日のお風呂で取るのが健康への最短距離です。
にもかかわらず、お風呂での事故が多発しています。
入浴中に死亡する人は、年間で約1万人ともいわれ、特に11月から3月までの寒い時期に事故が集中しています。
65歳以上では、家庭内における突然死の約4分の1が、入浴死ともいわれているほど。
健康を増進するはずのお風呂で、命を落としてしまうなんて…。
×熱い湯こそ体を冷やす×
寒い浴室から熱い湯に入ると「ヒートショック」と呼ばれる現象が起こりやすくなります。ヒートショックとは、高温環境が体に及ぼす衝撃のこと。血圧が急上昇し、脈拍数を急増させます。
さらに、熱すぎる湯には血液の状態を変えてしまう恐れもあります。熱い湯によって、血を止める働きをする血小板が活性化し、また、発汗による脱水で、血液がドロドロになってしまうのです。その結果、血栓(血の塊)ができやすくなり、高齢者や高血圧の人にとっては、心筋梗塞や脳血管障害につながる危険性も高く、命取りになりかねません。
○お湯はぬるめ、人肌くらいの温度で!○
つかり始めは寒く感じても、じっくり入浴しているうちにほんわかと温まってくるはずです。実は、熱い湯にざぶんと入るより、ぬるいお湯にゆっくり入るほうが体を温める効果が高いのです。魚を高温で一気に焼くと、外側だけ焦げて中身は生のままだったりしますが、それと同様に私たちの体も、じっくり低温のほうが芯まで温まるのです。
×全身浴が寿命を縮める×
リラックスするはずのお風呂からあがってみると「なんだか疲れているな」と感じることがあります。その原因として考えられるのは静水圧。
静水圧とは浴槽内で体が受ける水圧のこと。一般的な浴槽で肩までつかる全身浴をしたときに、体全体が受ける水圧はなんと1トンにもなると言われています。その静水圧が、血管やリンパ管を圧縮して、心臓や肺に負担をかけるため、入浴するとかえって疲れてしまうのです。
○お湯は少なめ、みぞおちまで!○
半身浴(みぞおちから下だけ湯につかる入浴)なら、心臓にかかる負担が少ないので安心です。下半身にだけ水圧をかけることによって、足にたまった血液を無理なく心臓にまで押し上げ、全身の血行を良くすることもできます。
どうしても肩が寒ければ、タオルを肩にかけたり、首だけ出して浴槽のふたを閉じておくなどの工夫をしてみましょう。また、足湯でも心臓に負担をかけずに全身の血行を良くすることができます。
(続く)
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