世界デトックス紀行
デトックスブームが続いている今、単なる「デトックス=毒素を出す美容健康法」という流れがちょっと心配、という旅行ジャーナリストの木谷朋子さん。世界各地を旅してきた旅のプロならではの視点で、さまざまなデトックス体験、健康・美容体験を世界各国の健康事情とともにお届けします。世界的な有名スパから気軽に行ける癒しスポットまで、ヘルシー美容&料理情報なども交えてご紹介します。
 




Photos : タラソシステムジャパン

   

第3回 1泊2日で行けるタラソテラピーセンター(Part 1)

◆ フランスに行くのはムリでも…

今年の夏は梅雨明けが遅かったせいか、なんだかとても短く感じられました。夏が短いとちょっと寂しいですね。

さて、例年8月はほとんど仕事、という私ですが、8月に入りやっと夏らしくなってくると、どこかへ行きたい病がムクムク。9月もまとまった休みが到底とれない状況だったため、同じように休みの取れない友達を誘って、1泊2日のプチバカンスへ行くことにしました。

そんなわけで、今回の「デトックス紀行」の旅先は日本国内。選んだ先は、私のお気に入りスポットの1つ「テルムマラン・パシフィーク」です。

場所は千葉県の南房総。小さいときに家族で海水浴によく来ていた興津にあるため、私にとっては、なんとなく親しみがもてる懐かしのエリアなのです。

開業時の1997年には『本場フランス仕込みのタラソテラピーセンターが日本にオープン』ということで、とても嬉しかったことを思い出します。なんと今年で開業9年と聞いてびっくり!月日の経つのは早いですね。以前は若い女性が多かった館内も、今ではカップルや中高年の男女も訪れるようになり、だいぶタラソテラピーが浸透してきていることを感じました。母娘の2人連れが増えているところなど、アジアン・リゾートで見かける光景と似ています。

◆ タラソテラピーの健康効果

タラソテラピーとは日本語に訳すと海洋療法といいます。海水や海藻、海辺の気候や環境全てを利用して心身のバランスを整える自然療法のことです。フランスでは、19世紀にすでにその健康効果が医学的に説明されていました。

歴史を遡ってみると、古代ギリシャ・ローマ時代からある自然療法の一つということがわかりました。古代ギリシャ人はすでに「海水」の治癒力を知って、海水浴を薦めていましたし、古代ローマの兵士たちは、戦争で負傷した傷を温海水で癒していたとか。ローマ人は当時、ヨーロッパ中を侵略して各地に兵を駐留させていましたが、各所に浴場を作るほどのお風呂好きな民族でした。「温海水」の健康効果に関しても経験的に知っていたのでしょう。

以前、アイルランドの漁師さんたちが、疲れを癒すために「海藻風呂」に入っているというのを聞き、やはり漁師さんたちも「温海水」と「海藻」の健康効果を実感として知っているのだと感じました。

海水はミネラルの宝庫とかスープ、と呼ばれるほど、ミネラルが豊富ですし、海藻の中には、ミネラルやアミノ酸、ビタミンがたくさん含まれています。海に囲まれている日本では「海藻を食べる」ことは体に良いと知ってはいたものの、海藻を塗ったり、お風呂に使ったり、という発想はなかったようです。タラソテラピーがもっと発達してもよいはずなのに、食べる方向に向いてしまったのですね。将来、日本も海洋国である立地を生かして、もっとタラソテラピーセンターが増えるといいのですが……。

◆ タラソテラピーとデトックスの関係

テルムマラン・パシフィークの海水は、勝浦の海からひいてきた海水を毎日くみ上げて使っているためとても新鮮です。しかも本物の海水を体温に近い温度に温めた「温海水」ですので、海水に含まれるミネラルやカルシウムなどの皮膚への浸透率がとても高くなります。

タラソテラピーというと、海藻を使ったアルゴパックばかりがクローズアップされがちですが、タラソテラピーセンターでは、「運動」、「栄養」、「休養」の3つのバランスを大切に、海水の特性を生かした運動、海水マッサージ、温海水浴、食事、リラックスタイムをトリートメントメニューの中に盛り込んでいます。

温海水での運動などによって新陳代謝が高まり、老廃物の排出がよりスムーズになりますので、水を大量に飲んでもいないのに、トイレの回数が激増します。館内では、こまめに水をとるようには言われますが、いっぺんに大量の水をとる、といったことはしません。温海水中で適度な運動をして、少し疲れたら眠り、ランチでヘルシーな食事をとったら、再び温海水に入ったり、次のトリートメントメニューを受けるだけ。それなのに、自分の体の新陳代謝が徐々によくなっていくのがわかります。急激なデトックスではなく、体に無理のないデトックス効果がタラソテラピーにはあるのだと感じます。

実際テルムマランでいつもびっくりするのは、働いているスタッフの方たちの肌がとってもツルツルで輝いていること。ぜひあやかりたいものです。いくら肌に高級クリームを塗りこんでも、体の中がボロボロでは美肌にはなれません。心身が健康だからこそ肌もキレイになれるのだな〜としみじみ思う私でした。

◆ タラソテラピー先進国フランスの技術とサービスを導入

テルムマラン・パシフィークは、北フランス・ブルターニュ地方のサンマロという海辺の町にあるタラソテラピースパ「テルムマラン・ド・サンマロ」と業務提携をしています。

フランスはヨーロッパの中でもタラソテラピーの先進国。フランス国内には現在70ヵ所以上のタラソテラピーセンターがあるのですが、「テルムマラン・ド・サンマロ」は1963年創業という歴史をもつ名門タラソテラピーセンターといわれています。個人的にはサンマロも好きですけど、お隣の町ディナールが好み。ディナールにもタラソテラピーセンターがあります。どちらの町も高級リゾートですが、超高級ホテルだけでなく、庶民価格のホテルももちろんあります。お金と時間があれば、やっぱり本場に行ってみたい!ですよね。

今回も「フランスに行きたい〜」という私に、友達たちは「フランスだと遠いし、休みが足りない。みんなのスケジュールが合わない」と一言。しょんぼりとナットクした私でした。そんなとき、本場と変わらない施設が近くにあるのは、個人的にはとてもありがたいことです。

次回は、私が体験した「2daysまるごとタラソプラン」というプログラムについて詳しくご紹介します。

テルムマラン・パシフィーク

千葉県勝浦市興津1920 ブルーベリーヒル内  
営業日:年中無休  
営業時間:9:00〜18:00
       ※但しアクアトニック・プールのみ〜22:00(水曜は〜18:00)
プログラム受付時間 8:30〜14:00
テルムマラン・パシフィーク予約センター
TEL.03-5200-0222(受付時間9:00〜18:00、祝日休み)
●「テルムマラン・パシフィーク」のサイト http://www.thalasso.jp

 



興津の海から車で5分ほど山側に走ると、丘の上にタラソテラピーセンター「テルムマラン・パシフィーク」が見えてくる。緑の多い自然豊かな環境にあり、とっても静か。空気もきれい!



ジェット水流や気泡を利用した14の仕掛けが施された多機能温海水プール「アクアトニック・プール」。筋肉が無理なくほぐれるため、入っているだけでも効果あり!寒さや熱さを感じない33〜36℃という「不感温度」に海水が保たれているため超快適。トリートメントの合間に利用する



館内の小さなプールで行われるトリートメント「ビシーナジェット」。壁から出るジェットの抵抗と温海水を利用したグループで行う海中エクササイズのこと。セラピストの指導で行い、腹筋や背筋のバランスを整える効果がある。運動療法といっても激しい運動ではないので、運動不足の人や中高年世代にも安心。



個室で受けるトリートメント「アルゴパック」。フランスから直輸入された品質の高いの海藻粉末を海水で溶いてペースト状にしたものを全身に塗り、マットで20分ほど保温する。保温されているうちにじわ〜っと汗が出てくるほど。新陳代謝、鎮痛や鎮静、リラクゼーション効果が高い。海藻に含まれるミネラルが直接浸透するため美肌効果も抜群。



グループで受けるトリートメント「エアロゾル」。海洋性気候を再現した暗室で、30分ほどデッキチェアに横たわってリラックスするだけだが、毎回爆睡してしまうほど気持ちいい時間。海水の殺菌効果による気管支の浄化と自律神経のバランスを整える効果がある。

 

第1回 カラダを内側からキレイにするのがデトックス
第2回 スパ・リゾートで知ったデトックスの実態
第3回 1泊2日で行けるタラソテラピーセンター(PART 1)
第4回 1泊2日で行けるタラソテラピーセンター(PART 2)
第5回 韓国で見た『韓方』の世界(Part 1)
第6回 韓国で見た『韓方』の世界(Part 2)
第7回 韓国の薬食同源の世界〜PART-1 伝統茶
第8回 韓国の薬食同源の世界〜PART-2 ウエルビンブームと綺麗になれる伝統料理
第9回 ワイキキで見た海洋深層水のショールーム
第10回 海外では男性のスパ利用は常識
第11回 ホノルルでは大好きなマンダラ・スパへ
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