世界デトックス紀行
デトックスブームが続いている今、単なる「デトックス=毒素を出す美容健康法」という流れがちょっと心配、という旅行ジャーナリストの木谷朋子さん。世界各地を旅してきた旅のプロならではの視点で、さまざまなデトックス体験、健康・美容体験を世界各国の健康事情とともにお届けします。世界的な有名スパから気軽に行ける癒しスポットまで、ヘルシー美容&料理情報なども交えてご紹介します。
 



   

第6回 韓国で見た『韓方』の世界(Part 2)

◆ 京東市場で韓方診断初体験!

韓国で韓方薬を買ってみようと思ったのは「まずは試してみないと」という好奇心からです。実は私、日本でも漢方薬を飲んでいたことがあるのです。最初はニキビのひどかった20数年前。今もある日本の老舗漢方薬局で処方されたものだったのですが、「食間に飲まないとダメ」という飲み方が当時最も難しく、あえなく挫折。効き目がなかなか感じられなかったことにも原因があったのかもしれませんが、何しろ飲みにくかった、という印象です。その後日本のT社の漢方薬とかも風邪などのときに一緒に処方されたりしたものの、これまた効き目がイマイチ。漢方薬についてはなんだかよくわからないな〜と思っていました。その後、日本の漢方薬についてもちょっと勉強し、20年前の私の漢方薬への認識がずれていたこともわかったのですが、漢方薬の知識が全くないのになんとなく飲んでいたことが悔やまれます。

そこで今回は、韓方薬についても事前にいろいろと調べ、韓国では韓方薬がどのように利用されているかなどもリサーチ。「大長今テーマパーク」に行った帰りに、懇意にしているガイドさんにお願いして、京東市場(キョンドンシジャン)の韓方薬局へ寄ってもらうことにしました。

訪れたのは「ハンソル東医宝鑑」というとっても綺麗な大きなビル。このビル名、前回ご紹介した韓方医ホ・ジュンの書いた韓方の医学書の名前と同じです。

場所は地下鉄1号線祭基洞(チェギドン)駅の2番出口を出てすぐ。京東市場の端にあるビルで、ちょっとキレイすぎる感じもなきにしもあらず。市場のざわざわした庶民的な雰囲気とは別世界でした。

◆ 体質診断とカルテ作りからスタート!
   ドキドキのカウンセリング

薬局の名前は「梧桐堂(オドンダン)韓方薬屋」。日本語の堪能な女性薬剤師さんが応対してくれたのでちょっと安心。まずは、血圧、体脂肪、内臓脂肪、体重などを測り、薬剤師さんから「体のどこが調子が悪いの?」、「生理の状態は?」、「食欲や汗の量は?」、「疲れやすい?」、「お酒は飲む?」、「たばこは吸う?」などなど、さまざまな質問をされます。このカウンセリング結果がカルテになるので、自分の体の調子で気になることや生活習慣などはここで全部話しておいた方がいいと思います。

次にこのカルテをもって先生の診察を受けます。私の場合は日本人ということもあり、先生がカルテを見ながら、女性の薬剤師さんから話を聞いているのですが、残念ながら韓国語での会話なため意味はわからず。カルテの結果と私が話した内容を再度説明している、といった風でした。

一通り説明が終わると、先生が私の顔を見ながら舌の色や顔色をチェック。さらにチャングムでもやっていた「脈診」へと診察が進みます。脈で健康状態や生活習慣が全部わかるという話を聞くとちょっとびっくりですが、ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』を見ていた人ならたぶんご理解いただけるはず。主人公チャングムが脈診で患者を診断する姿が何度も出てきますよね。実際、今でもこの「脈診」は韓方医が行う重要な診断法の一つといわれていて、脈診ができるようになれば韓方医として一人前、ということです。先生の私への診断結果も私の体の調子を細かく言い当てたズバリな内容でした。脈診でここまでわかってしまうなんて本当にすごいです!

◆ 1ヵ月半で韓方薬の効果を実感

日本では漢方を学ぶ東洋医学の専門大学は特にありませんが、韓国には韓方医学を学ぶ専門大学や大学の専門コースがあり、韓方医になるためにはこういった大学の韓方学科で6年間学びます。単に薬を調合する薬剤師ではなく、患者の診断や治療、薬の処方までを行うれっきとした医薬師(韓方医)なのです。

面白いと思ったのは、先生が「韓方薬は継続して飲む必要はない」と言ったこと。韓国では、初夏や初秋など、季節の変わり目に韓方薬を飲んで体調を整える人が多いそうで、体調が悪いときもまずは2〜3ヵ月間飲んでみて様子をみることが大切だといいます。私も「1ヵ月間では薬の効き目が出る前に終わってしまうので逆に無駄ですが、まずは2〜3ヶ月飲んでみてください」と言われ、2ヵ月分の韓方薬を処方してもらうことにしました。風邪などの場合は、1〜2週間くらいでいいそうです。

体調が改善されればそれ以上飲む必要はないということでしたが、私の場合、飲んで1ヵ月目は全く体調に変化がなかったものの、1ヵ月半を超えた時期に突然効き目が現れ、生理前のニキビが消失。肌のつやがよくなったと周囲にも言われるほど変化が出ました。ホルモンバラスンを整える薬と、子宮を温める薬が入っているといわれましたが、効果があったこともあり、最初の2ヵ月分を飲みきったところで、さらに1ヵ月分をオーダー。また、夏にソウルへ行った際にも2ヵ月間オーダーして、夏を乗り切りました。私は生活が不規則で慢性的な運動不足、ストレスも非常に多いため、継続的に飲んだ方がいいと思うのですが、体調が改善されれば飲む必要はない、との先生の言葉ですので、従うことにして、今は飲んでいません。

◆ 韓国の韓方薬は飲みやすい!

この薬局では、韓国内はもちろん、中国など他の国から集めた350種類以上の薬剤の中から、個人の体に合わせた薬剤を20種類以上調合して韓方薬を処方してくれます。私が「忙しい仕事なので、いちいち薬剤を煮出したりする暇はないんです」と言うと、「調合して煮出した薬を1つずつパックにしているので、出張にも持っていけるくらい簡単に飲めます」と言われ、これにもびっくり。しかも、飲むのは食間ではなく、食後30分という飲み忘れしにくい時間。電子レンジで30秒温めて飲むだけですので、本当に楽に飲めるのです。韓方薬(漢方薬)は飲みにくいという私の先入観はこの経験でゼロになりました。

また、韓方薬服用中には、緑豆もやし、お酒、コーヒー、豚肉、油っこい食べ物、小麦粉が原料のものは避けた方が効きめが高くなるとの注意事項もあります。これらの食べ物を飲んだり食べたりしてしまったときは、1時間くらい空けてから韓方薬を飲むようにとのことでしたので、これくらいの決まりごとなら、なんとかクリアできるのではないでしょうか。

ちなみに、韓国で韓方を飲んでいる人は女性が圧倒的に多く、一番多い相談が「ダイエット」だとか。日本人もそうですが、韓国も昔と違って糖質の多い食事が増えているんですね。肥満の次に多いのは、女性特有の病気や更年期障害などの相談ということです。体に負担のあるホルモン剤を飲んで一時的に回復させるよりも、継続的に韓方薬を飲んで体質を改善していく方が体にもいいということでしょう。私も体調を見ながらまた韓方薬を飲んでみようと思っていますが、今度は違う先生に診てもらい、前の診断とどんな違いがあるかを確かめてみたいと思っています。

次回は、韓国の伝統茶についてご紹介します。

 

梧桐堂(オドンダン)韓方薬屋
最寄り駅 地下鉄1号線祭基洞(チェギドン)駅下車2番出口すぐ
住所 ソウル市東大門区祭基洞892-71 ハンソル東医宝鑑ビル2F
(階数は2Fだが1Fにみえるので要注意)
TEL: 02-6370−0250/02-754-7582(日本語相談)
※2006年5月に明洞店もオープンTEL:02-757-7582
http://odongdang.com/
 



梧桐堂(オドンダン)韓方薬屋のある「ハンソル東医寶鑑」ビル



1階だと思っていたら2階が正面入口。梧桐堂(オドンダン)韓方薬屋はこの入口を入って左手



お店に行くと出てきたのが「五味子茶」。韓方薬や五味子茶は、後ろにある箱に入れてくれますが、配送の場合は頑丈な缶に 詰めてくれます。



韓方薬の薬剤が入っている「薬棚」。韓方薬局にはこのタイプ の棚がいくつもあります。



薬局内にあった韓方薬剤です



私に調合してくれた韓方薬です。1日2回、1パックずつ飲みます。量は100mlくらい。当帰、熟地黄など20種類の薬剤が入っています。1ヶ月分60パックで25万ウォン(約3万円)でした。2か月分オーダーしたため、日本まで配送してもらいました。配送料金は2万ウォン



こちらは韓方薬ではないのですが、五味子茶(オミジャチャ)と呼ばれるお茶です。朝鮮五味子という木の実から作られるお茶で、韓国では夏によく冷やしてよく飲みます。酸味、辛味、塩味、苦味、甘みの5つの味をもち、韓方医学的には肺の働きをよくする効果があり、咳にいいとされています。疲れなどにも効果があるとか。写真の五味子茶は、梧桐堂(オドンダン)韓方薬屋のオリジナルで、伝統茶の店で飲むお茶よりも韓方薬剤の味がかなりします。50パックで7万ウォンでした。



韓方薬剤は韓方薬ほど高くなくリーズナブルな値段で買えます

第1回 カラダを内側からキレイにするのがデトックス
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第3回 1泊2日で行けるタラソテラピーセンター(PART 1)
第4回 1泊2日で行けるタラソテラピーセンター(PART 2)
第5回 韓国で見た『韓方』の世界(Part 1)
第6回 韓国で見た『韓方』の世界(Part 2)
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