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![]() デトックスブームが続いている今、単なる「デトックス=毒素を出す美容健康法」という流れがちょっと心配、という旅行ジャーナリストの木谷朋子さん。世界各地を旅してきた旅のプロならではの視点で、さまざまなデトックス体験、健康・美容体験を世界各国の健康事情とともにお届けします。世界的な有名スパから気軽に行ける癒しスポットまで、ヘルシー美容&料理情報なども交えてご紹介します。 |
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◆ 100カ所以上の源泉が湧く首都ブダペスト ハンガリーが世界でも稀に見る温泉王国であることは前回もご紹介しましたが、ブダペストのような大都市に、100カ所以上の源泉があるというのは、世界でも例がないのではと思います。 昔からブダペストの市民にとって温泉は身近な社交場であり、健康維持のための大事な施設。リュウマチなどの持病がある人にとっては、医療施設の一環としても庶民の生活に浸透しています。出社前にひと風呂浴びる人、仕事後に温泉で疲れを癒す人、ホテル滞在しながら温泉を楽しむ観光客など、さまざまな人たちが温泉を楽しんでいます。 ただ、ブダペストの主な温泉施設は、日本人からすると温泉プールといった感じに見えるところが多いと思います。また、熱い温泉に慣れている日本人にとってはぬるすぎるかもしれません。私のようにぬるめのお湯に長く浸かることが好きな人にとっては好都合なのですが・・・。温泉の温度は熱い方のお湯でも40〜42度くらい。36〜38度くらいが平均的です。 ◆ 16世紀から続く公衆浴場 ハンガリー式の温泉体験をしたい人には公衆浴場がおススメです。有名なのは「ゲレルト温泉」、15のプールがある「セーチェニ温泉」、16世紀にトルコ人によって建てられた「ラーツ温泉」、「ルダシ温泉」、「キラーイ温泉」など。どの温泉も長い歴史をもっていることと、ハマム(スチームバスの一種)と呼ばれるトルコ風の温泉スタイルを継承していることが大きな特徴です。 「ラーツ温泉」は16世紀、オスマン・トルコによってハンガリーが占領されていた時代に建てられたものですが、19世紀後半にエレガントな外観に建てかえられています。 「ルダシ温泉」も16世紀に造られた建物部分は全部建てかえられていて、残っているのは「ラーツ温泉」と同じく浴槽部分のみ。男性専用なので、女性は水着で入る温泉プールにしか入れません。 最も典型的なトルコ風のお風呂を見たい人には「キラーイ温泉」がおススメです。こちらもオスマン・トルコ時代に建てられたものですが、十二角形の浴槽部分や天井の円蓋ドームなど、歴史的建築物としても必見です! ちなみに、「ラーツ温泉」、「ルダシ温泉」、「キラーイ温泉」の3つは裸で入る温泉です。 比較的歴史が新しい温泉は、大型プールを15個もつ「セーチェニ温泉」ですが、こちらは20世紀初頭に建てられたもの。ブダペストの市民公園の隣にあるため、一見すると市民プールのようですが、こちらは水着着用の温泉プールスタイル。プールには屋内と屋外があり、屋外温泉プールでは、お湯に浸かりながらチェスをするおじさんたちが名物化しています。 ◆ アールヌーボー様式の優雅な建物が「ゲレルト温泉」の魅力 ブダペストの温泉の中でも最も有名なのは「ゲレルト温泉」です。1918年に建設された高級ホテル「ゲレルト・ホテル」の中にあり、ハンガリーの温泉の中でもダントツの知名度。その理由は華麗で優美な建物にあります。ホテル内は優雅なアールヌーボー様式の建築様式で統一されており、新築の超高級ホテルでは感じることのできない歴史と伝統の重みを感じることができます。 ブダペストのシンボルにもなっている有名な温泉ホテルですので、私もここだけははずせない!と、ブダペストに行くとこの「ゲレルト温泉ホテル」へどうしても足が向いてしまいます。 ちなみに温泉はホテルの中にありますが、ホテルとは別経営。ブダペスト市民も利用する公衆浴場ですので、伝統的なハンガリースタイルです。裸で入る伝統的な温泉のほか、屋内温泉プールと屋外温泉プールがあり、宿泊客は無料で使えるほか、ホテルの入口とは別に温泉利用者専用の入口もあります。 ここで面白いなと思ったのが、温泉に入る際に渡されるコットンでできた女性用エプロンでした。ちなみに男性用はフンドシだそうです! 最初は「何でこんな小さなエプロンなんかつけてお風呂に入るの〜」と不思議に思った私でしたが、よ〜く見ると地元ハンガリーのおばさんたちはこの変なエプロンをもっていなくてみんな裸。このエプロン、どうも外国人にだけ渡しているようなのです。 ハンガリーでは伝統的な入浴スタイルは裸が基本。ただ、国によっては、他人に裸を見せるのが一般的でないところもありますから、そのための配慮ということなのかもしれません。しかし、この裸スタイルに抵抗のない日本人には裸にエプロンはかなり奇妙な光景にうつります。私も途中でエプロンをはずしてしまいました! ここでの入浴は、チケットを買うことから始まります。チケットを入口のおばさんに渡し、シャワーキャップとシャンプーをもらったら、ロッカーで着替えをし、ロッカーの番号札をもらいます。ここでちゃんと鍵をかけてもらったことを確認したら、タオルをもってシャワー室へ。このシャワーが全然熱くないのですが、これもゲレルト流。室内プールは男女一緒の水着着用場所なので、後で入ることにし、ここで右と左に分かれている男女別のお風呂へ直行します。温度差別に2種類のお風呂があり、マッサージなどは別料金でお願いできます。ただ、マッサージはやはり人気らしく、順番待ちとなることが多く、私も呼ばれるまでお風呂で待つように言われました。終わったら、マッサージおばさんへの心づけ(チップ)もあげることを忘れずに。タイ・マッサージなど、マッサージの種類も以前よりもだいぶ増えています。 ここでのマッサージは、この後に韓国で汗蒸幕のアカスリおばさんを見たとき、妙にダブりました。ハンガリーのマッサージおばさんと韓国のアカスリおばさん。全然違う国ですが、黒ブラと黒パンツに身を包んだおばさんたちの格好がそっくりだったのです。 ちなみに、屋内温泉プールと屋外温泉プールの方はもちろん水着着用です。細かなレリーフ彫刻が施された大列柱で有名な屋内温泉プールは、「ゲレルト温泉」のシンボルとして多くの写真に使われているので、写真を是非ご参照ください。波のプールとして市民にも親しまれている屋外温泉プールはサマーシーズンだけ開放されています。 このほか、「ダヌビウス・テルマル&コ ンファレンス・ホテル・へリア」、「テルマル・ホテル・アクインクム」のように、エステサロンなども充実しているデラックスな温泉ホテルは、高級志向の観光客向け。また、ドナウ川のマルギット島に1970年代に建てられた「ダヌビウス・ テルマル・ホテル・マルギットシゲット」は、医療用温泉施設として作られただけに、医療センター、7つの温泉プール、エステサロン、ジム、サウナが完備され、長期滞在者が多い大規模な温泉ホテルとして有名です。私も一度行ったことがあるのですが、日本人には温泉というよりクアハウスみたいな雰囲気に見えると思います。隣に建つ「グランド・ホテル・マルギットシゲット」ともつながっており、宿泊客はバスローブのまま温泉施設を使えます。 次回は、地方の温泉の一つ、へーヴィーズの温泉湖のことをご紹介したいと思います。
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