![]() |
![]() |
||
![]() デトックスブームが続いている今、単なる「デトックス=毒素を出す美容健康法」という流れがちょっと心配、という旅行ジャーナリストの木谷朋子さん。世界各地を旅してきた旅のプロならではの視点で、さまざまなデトックス体験、健康・美容体験を世界各国の健康事情とともにお届けします。世界的な有名スパから気軽に行ける癒しスポットまで、ヘルシー美容&料理情報なども交えてご紹介します。 |
![]() |
||
◆ 新聞小説で興味をもったハンガリー ここでなぜ私がハンガリーに興味をもったか、という話をちょっとだけしたいと思います。 きっかけは宮本輝の小説『ドナウの旅人』でした。80年代前半に新聞小説として連載されていたのを毎日読んでいた私は、主人公と同じように「ドナウ川に沿って旅をしたいな〜」と思ったのでした。当時は「鉄のカーテン」と呼ばれた冷戦時代でしたからソ連兵がいたるところに駐留していて雰囲気的にはちょっと怖かったものの、ブダペストの町の治安は安定していました。1989年にベルリンの壁が壊されて以降は、急速に経済が自由化され、一気に西側のモノや人が流入。地方からもブダペストに人が集まり、一時期ちょっと治安が悪くなったものの、もともと冷戦時代から西側の観光客に開放されていたので、自由化が進んだ後はさらに旅がしやすくなっています。今では西欧諸国とあまり変わらないと感じるかもしれません。 実はハンガリー人は、日本と同じように苗字が先、名前を後に書きます。ヨーロッパでそんな国はハンガリーだけですが、それはハンガリー人の祖先がアジアのウラル山脈地方に住んでいたアジア系民族だったことと大きく関係しています。実際ハンガリーの言葉は文法的に日本語と似ているらしく、そんな共通性も私が親しみをもって行きたいと思うきっかけとなったと思います。世界遺産を6つももつ名所旧跡が多い国ですが、ハンガリー中を旅している間に温泉にどうしても目が行くのは私が日本人だからでしょう。 ◆ 多くの国に囲まれた海のないハンガリー ハンガリーはちょうどヨーロッパの中央に位置しています。西はオーストリア、スロヴェニア、南西にはクロアチア、南にユーゴスラビア、北はスロヴァキア、北東にウクライナ、東にルーマニアとたくさんの国に囲まれていますので、もちろん海はありません。 そんな海のないハンガリーでリゾート地として人気の高い場所がバラトン湖と呼ばれる湖です。この湖はヨーロッパ最大の湖で、大きさは東西77キロメートル、最大幅は14キロメートル。一見すると海みたいなのですが、水深が2〜4メートルと浅いため、サマーシーズンには湖水浴?を楽しむ旅行客がたくさんやってきます。ここは温泉湖ではありませんが、ハンガリー人はもちろん、お隣オーストリアやドイツからもかなりの人数が訪れています。ハンガリー人にとっては海と同じ役割を担っているように見えました。 そのバラトン湖の西端にあるケストヘイという町から北西に6キロほどの位置にある小さな湖が今回ご紹介する温泉湖ヘーヴィーズです。 ◆ 世界に一つしかない温泉湖 温泉の多い日本はもちろん、ヨーロッパの中でも「温泉湖」の存在は珍しいのではないでしょうか。実際、その後もこの温泉湖と同じような湖は見たことがないので、世界で一つしかない温泉湖ではないかな〜と私は思っています。周囲を森に囲まれた癒される場所であることも魅力の一つです。 ヨーロッパ一大きいバラトン湖に比べるとまったく池にしか見えない湖ですが、面積は意外に広く4.7ヘクタールあります。水深はバラトン湖と違い深いところは36メートルもありますので、泳げない人は浮き輪が必要ですね。 湖の底から湧き上がる温泉が湖を一回りしてからバラトン湖の方に流れていくため、水温は冬でも最低26度はあるとか。夏には33度近くまで上がるそうなのですが、日本の温泉の温度を考えると水のように感じてしまうかもしれません。普通のヨーロッパの温泉と比べても低い温度です。不思議なのは広い湖の中で水温に差がないことでした。 湖ということで、水が湖に滞留してしまっているのでは?と思われるかもしれませんが、常に新鮮な温泉が湖底から湧き続けているため、温泉湖の水は約30時間ごとに完全に入れ替わっており、水質については太鼓判を押せるくらいきれいということです。 また、気になる温泉の効能ですが、炭化水素と硫黄を含んだアルカリ性のお湯であるため、特にリューマチや通風の人に効き目があるとか。そう言われてみると、確かに訪れている人たちは中高年の方(60代〜70代)たちばかり。湖の近くには大小さまざまなホテルが林立していましたが、宿泊客も中高年層が多く、取材で来ていたいかにも若い私たちクルーはかなり周囲から浮いていた存在でした。もちろんアジア人は皆無。車のナンバーからすると、ドイツ人、オーストリア人が多く、ハンガリー人は地元の人が多いようでした。長期で逗留する宿泊客が多いところをみると、日本の温泉宿に近い感覚でしょう。 一見すると湖で泳いでいるようにしか見えない光景ですが、よく見ると泳いでいる人は少なく、浮いている状態の人が多かったのが印象的です。湖のところどころにつかまる場所なども設けられていますし、泳げない人も浮き輪があれば万全。もちろん水着着用で入ります。 取材中は時間切れ(温泉湖の利用は9時〜17時)で温泉湖の温泉をゆっくり体験できず、実は後々も後悔するほど残念でした。そのとき、60歳過ぎたら今度はのんびり訪れたいとリベンジを誓ったほど。まだ先は長そうですが、私にとってヘーヴィーズは、バラトン湖周辺の美しい町の探訪も含め、もう一度訪れたい場所のひとつなのです。 |
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ≫HOME | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Copyright (C) KENKO JOURNAL , Inc & KITANI TOMOKO All RightReserved |