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![]() デトックスブームが続いている今、単なる「デトックス=毒素を出す美容健康法」という流れがちょっと心配、という旅行ジャーナリストの木谷朋子さん。世界各地を旅してきた旅のプロならではの視点で、さまざまなデトックス体験、健康・美容体験を世界各国の健康事情とともにお届けします。世界的な有名スパから気軽に行ける癒しスポットまで、ヘルシー美容&料理情報なども交えてご紹介します。 |
![]() PHOTO:Thermae Bath Spa |
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◆ 2006年8月についにオープン! さて、今回ご紹介する『サーメ・バース・スパ』。実は、このスパ建設計画がもちあがった90年代後半からこのスパに注目していた私は、オープンするのを楽しみに待っておりました。 最初は「2000年に完成するのかな?」と、イギリスの一大国家事業「ミレニアム・プロジェクト」と連動して2000年までに完成すると思っていましたが、やがて2000年までには無理そうという噂が聞こえ、ちょっとがっかり。当時は英国政府観光庁の方に「バースのスパはいつできるのですか?」と折りあるごとに聞き続けていた私です。 しかし何年たってもいっこうに完成したというニュースは伝わらず、イギリス関係の仕事仲間との間でも「いつできるんだろうね〜」という話もしなくなった頃(たぶん2003年)、『サーメ・バース・スパ』から「もうすぐオープンします」というお知らせのパンフレットが送られてきたのです。 サイトがオープンしたときに、メールアドレスなどを登録しておいたためと思われますが、しかし、その後なぜかオープンできなくなったというお知らせが…。私は「オープンするときには必ず連絡を下さい」というメールをうち、2004年にバースへ行ったときには建物を見に行ったのですが、真新しいまま閉まっておりました。 そんな私のところに、2006年7月『サーメ・バース・スパ』から「8月7日からオープンします」という一通のメールがきたのです。「ついに完成したか〜」と感慨深くそのオープンを日本から嬉しく思っていたのですが、今度はこちらがなかなかイギリスへ行けず!今年5月にやっと行くことができたというワケです。クビを長くして待っていただけに、この温泉施設への期待度はかなり高かったと言えるでしょう。 ◆ 多くの出資者によって建設計画が実現 『サーメ・バース・スパ』に興味があったのは、ここがいわゆる高級ホテルやリゾートの中にある高級スパとはコンセプトが違っていたからです。観光客だけなく、地域住民にも利用してもらえるような施設であることと、以前利用していた歴史的な温泉施設を、現代に蘇らせるという難事業を経て完成させたことは注目すべき点です。 このスパ建設プロジェクトは、ミレニアム・コミッションと いう公的機関が主な資金を提供しているものの、バース&北東 サマーセット・カウンシル(バース市とサマーセット州北東部 地域)、サーメ・デベロップメント・カンパニー、バース・ス パ・トラスト、欧州地域開発基金、地元の有志からの寄付金な ど、地元が多大な協力と資金を供出する形で完成した一大事業 。現在は、バース&北東サマーセット・カウンシルから運営を 委託されたサーメ・デベロップメント・カンパニーが、ソフト 、ハード面ともに、予約からゲストサービス、メンテナンスに いたるまですべての運営を任されています。 それゆえに、完成までに時間がかかったのでしょうし、2003年オープン間際になって突然オープンできなくなったのも出資者が多く存在していた複雑な経営事情があったのだと思われます。また、完成が遅れた主な原因は、建設地の建物が考古学上重要な歴史遺産であったことから、現代的なスパ施設と、考古学上残さなくてはならない部分をどうコラボレーションさせるかを検討するのに時間がかかったため、と言われています。 実際のところ『サーメ・バース・スパ』は、バースの温泉町としての歴史の延長線上にあるのです。古くから残る石造りの建物とガラス張りのモダンな建物を融合させ、歴史的遺産として残る5つの建物を修復して造られているだけに、バースの温泉町として歴史の深さを感じさせる施設になっています。 注目したいのは、17〜18世紀に最もファッショナブルと言われた「クロス・バス」を現代に蘇らせていること。16世紀〜18世紀にかけて、多くの王侯貴族が温泉保養することでバースの町は高級温泉保養地として脚光を浴びましたが、「クロス・バス」はその時代に王侯貴族たちに最も人気があった温泉でした。そのきっかけを作ったのが、ジェイムズ二世の王妃メアリーで、不妊症だったメアリー王妃が、この温泉で不妊症を治し皇太子を生んだことから、「クロス・バス」の温泉の効能は、王侯貴族の人たちに口コミでまたたく間に広がり、その後、王室関係者はもとより貴族たちがこぞってバースを訪れるようになる大きな原動力になったのです。 そんな歴史をもつ「クロス・バス」ですが、現在はメイン・ビルの「ニュー・ロイヤル・バス」のはす向かいに独立してあり、メイン・ビルとは別料金になっています。メイン・ビルのスパ・セッションが2時間セッション(一般£20、近隣住民£17)であるのに対し、「クロス・バス」は気軽に短時間で入れるようなシステム。特にバースとノース・イースト・サマーセット(バースと近くの北東サマーセット州)の住民は、一般料金の半額(£12→£6)で入れるなど、優待料金が設定されています。 個人的には、メイン・ビルの中の「ホット・バス」の建物の一部にも、17〜18世紀の建物が残っていたのが印象的でした。「ホット・バス」はスパ・トリートメントを受ける人だけが利用できる温泉で、このスペースにはトリートメント・ルームのほか、トリートメント利用者専用の休憩スペースなども設けられています。トリートメントの内容についてはまた次回、説明しますね。 ◆ イギリス唯一の天然温泉施設 メイン・ビルの「ニュー・ロイヤル・バス」には、3つの温泉プールとスチーム・ルーム、レストラン&カフェ、ショップ、会議室。そして、マッサージ・スイートとホット・バスの2つのスペースに、合わせて20室のトリートメント・ルームがあります。 イギリスで唯一天然温泉が体験できる温泉施設としてだけでなく、リラクゼーションやレジャー施設としても利用できるような工夫も随所にみられ、屋上に造られたルーフ・プールからはバースの町が一望できるとあって、お風呂好きの日本人にはぜひ一度体験して欲しい温泉です。 いずれにしても、歴史的遺産である古い建物を残しながら、21世紀にも通用するスパ施設を建設するというのは大変な事業であったはずですが、そこに温泉町バースのプライドが垣間見えるような気がしました。 次回は、『サーメ・バース・スパ』の施設の中身について、詳しくご紹介したいと思います。
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