世界デトックス紀行
デトックスブームが続いている今、単なる「デトックス=毒素を出す美容健康法」という流れがちょっと心配、という旅行ジャーナリストの木谷朋子さん。世界各地を旅してきた旅のプロならではの視点で、さまざまなデトックス体験、健康・美容体験を世界各国の健康事情とともにお届けします。世界的な有名スパから気軽に行ける癒しスポットまで、ヘルシー美容&料理情報なども交えてご紹介します。
 


PHOTO:Thermae Bath Spa

第38回 イギリスの温泉町 PART3
21世紀のバースに蘇ったスパ・コンプレックス「サーメ・バース・スパ」その2

◆ 18世紀の温泉道「バース・ストリート」沿いに建設

取材当日、担当者に会う前にメイン・ビル「ニュー・ロイヤル・バス」の向かい側に建つ「スパ・ビジター・センター」を先に訪れてみることにしました。

センターの中は小さいスペースで、温泉町バースの歴史がコンパクトに紹介されていて入場料は無料。私的にはじっくり見たい気分でしたが、主な歴史部分のパネルのみ熟読。英語での説明しかないので、英語を読むのが苦手という人は、さらっと見るだけでいいと思います。

この『サーメ・バース・スパ』が建つエリアは、観光拠点となっているローマン・バスやパンプ・ルームのある場所から一直線上にあります。

ローマン・バスの一部であるキングス&クィーンズ・バスの入口からつながる道は「バース・ストリート」と呼ばれ、キングス・バスとクロス・バスを行き来するために1791年に作られた温泉利用者のための道でした。スパに気を取られていると見落としそうになりますが、今でも歩道側には18世紀の面影を残すエレガントな柱が立ち並んでいます。

◆ イギリスにある3つの源泉は全てバースに存在

イギリスにある3つの温泉の湯元(源泉)は現在3つあるのですが、その3つ(キングス・スプリング、ヘトリング・スプリング、クロス・スプリング)全てがバースにあります。キングス・スプリングのお湯は「ローマン・バス」へ流れており、『サーメ・バース・スパ』では、ヘトリング・スプリングのお湯をメイン・ビルの「ニュー・ロイヤル・バス」で、クロス・スプリングのお湯はクロス・バスで利用しています。

今湧き出ているお湯は、1万年から数千年前に降った雨がメンディップ丘陵の石灰質の大地にしみこんで地下に溜まり、長い年月を経て源泉口から噴出している、というのが有力説だそうですが、詳細はわかっていないのだとか。なぜ、この地だけに温泉が湧き出ているのかも謎です。

源泉の温度はクロス・スプリングが43.7度。ヘトリング・スプリングが45.3度ですが、公式には45度前後と言っているとか。しかし、実際に入るスパ内の4つの温泉プールは全て35度前後。若干の温度調整はできるようですが、実際は、地上に湧き出たお湯をフィルターにかけて異物を取り除く過程で、自然に水温が下がってしまうのだそうです。

◆ リラックス効果の高い不感温度は33〜36度
  ぬるい温泉に長く浸かるのがヨーロッパ流

ここでちょっと温泉やお風呂の効用について一言!
健康ジャーナル社のwebmagazine「冷え取り健康生活」の「もっと心地よく!快適お風呂のススメ」には、お風呂には、(1)お風呂でカラダを温める→(2)副交感神経が優位になる→(3)リンパ球が増え免疫力が高まる→(4)血流が促され体内の老廃物が速やかに排出されやすくなる

といったカラダへの効用があると書かれています。快適に感じるお湯の温度は38〜40度程度。リラックス効果の高い不感温度は33〜36度ですので、熱すぎるお湯には入らないのが鉄則です。ぬるく感じるかもしれない35度前後の温泉プールですが、最も健康によい温度設定になっているのです。

『サーメ・バース・スパ』の施設は以下のようになっています。

◆(本館)ニュー・ロイヤル・バス
□半地下1階 (Lower ground floor) ⇒ ミネルヴァ・バス( プール)、ホット・バス(小さなプールとトリートメント・ス ペース)
□1階 (Ground floor) ⇒ 受付
□中2階 (Upper ground floor) ⇒ 更衣室
□2階 (1st flloor) ⇒ マッサージ・スイート(フェイシャル 、ボディ・マッサージ)、 スプリングス・カフェ&レストラ ン
□3階 (2nd floor) ⇒ スチーム・ルーム、会議室
□4階 (3rd floor) ⇒ 屋上プール

◆(別館)クロス・バス(プール)

施設を見ると、典型的な日本の温泉をイメージしている人には、温泉施設というよりプールにしか見えないかもしれませんね。何しろ日本の温泉はお風呂の延長ですから、裸で入浴するのが当たり前。水着で温泉プールに入っても「温泉に浸かっている」という感覚には最初はなれないかも。でも、こういったスパ施設では、施設全体をくまなく使ってこそスパの気持ちよさが味わえます。まずは、1階のミネルヴァ・バスに入り、スチーム・ルームでさらにカラダを温めてから、屋上の露天風呂ルーフ・プールへ行くのがおススメです。

ちなみに、4階(イギリスでは3階)のスチーム・ルームの温度は45〜50度に設定されていますので、こちらもぜひ利用してみてください。4つのガラスのブースに分かれたスチーム・ルームには、部屋毎にラベンダー、ジャスミン、ミント&ユーカリプタス、パインのアロマセラピー・オイルの香りが漂っており、ドライ・サウナが苦手な人でも十分リラックスできますし、美肌になれること間違いなし!私はこのスチーム・ルームに30分くらいいて、一緒になったイギリス人のおばさんやお姉さん、アメリカ人の夫婦と温泉談義を繰り広げていました。デザインもなかなかおしゃれです。

◆ コースはスパ・パッケージがおトク!

今回私が体験したのは2時間セッション(£20)とホット・ストーン・マッサージ(45分£40)でした。

トリートメントを受ける時間は2時間セッションの時間とは別枠で、さらにレストラン&カフェで食事をしたりすると、その時間の分も延長してくれますので、きっちり2時間で退出しなくてはならない、といった心配は不要です。

現在唯一の日本人スタッフとして『サーメ・バース・スパ』で働く真木子・スミスさんによると、初めての方にはthermaetaster(サーメ・テスター£65)というパッケージ・プランがおススメとおっしゃっておられました。

Thermaetasterの場合、2時間セッションに背中、首、肩のマッサージとフェイシャルマッサージがついて、タオルやスリッパ、バスローブ代が無料になります。スパ・パッケージ・プランでない場合は、タオル(£3)、スリッパ(£2)、バスローブ(£4)をそれぞれ借りる料金が発生しますので、私もパッケージ・プランが断然おトクだと思いました。個人的には、濡れている場所はスリッパよりもビーチサンダルがいいと思うので、スリッパは不要なような気がしましたが・・・。

また、トリートメントを受けない場合は、温泉好きな日本人なら4時間セッション(£30)の方がゆっくり過ごせるのではないかと思います。

スパ・セッションだけの場合は予約は不要ですが、トリートメ ントやパッケージプランにトライしたい人は要予約ですので、 旅行のスケジュールが決まったら、なるべく早く予約をするよ うにしましょう。

ただ、カラダを温め血液循環を良くするぬるい温泉プールも、長く入りすぎると疲れてしまいますので、こまめに水を飲み、休憩や食事を挟んだりしながら過ごすようにしましょう。

次回は、私が受けたホット・ストーン・マッサージと人気のトリートメント・メニューについてご紹介します。

【バースを知るためのミニ知識】

●サーメ・バース・スパThermae Bath Spa
http://www.thermaebathspa.com E-mail:info@thermaebathspa.com
【電話】+44(0)1225-33-5678
【予約専用電話】+44(0)1225-33-1234
【入館時間】《ニュー・ロイヤル・バス》9:00〜22:00(ラストエントリー19:30)、《クロス・バス》10:00〜20:00(ラストエントリー18:30)、《スプリング・カフェ&レストラン》9:30〜21:00
●バースへのアクセス
ロンドン・パディントン駅から列車で1時間20分。ほぼ30分おきに列車があるので、日帰り観光も可だが、できれば1泊は宿泊してのんびり過ごしたい。
● バースの旅行情報 http://www.visitbath.co.uk
● 英国政府観光庁のサイト(日本語)http://www.visitbritain.com/jp
● ローマン・バス博物館 http://www.romanbaths.co.uk

 

 



奥の建物がメイン・ビル「ニュー・ロイヤル・バス」。手前右の建物が「スパ・ビジター・センター」



「ニュー・ロイヤル・バス」の1階にある温泉プール「ミネルヴァ・バス」。打たせ湯やジャグジーも完備



メイン・ビルのはす向かいに建つ「クロス・バス」。メアリー王妃が不妊治療のために通ったといわれる由緒ある温泉



ドライ・サウナが苦手な人も安心。スチーム・ルームは長くいられるのがメリット



屋上に建設されたイギリス版露天風呂「ルーフ・プール」。バースの町が一望できると利用者に好評



トリートメント体験者のみが使える「ホット・バス」。「ワツ」という人気トリートメントもこのプールで行われる

第30回以前のコラムはこちら
第31回 スリランカ・アーユルヴェーダ紀行 PART-4 全身オイルまみれの後は、ハーブ・パックとハーブ・バスで終了!
第32回 スリランカ・アーユルヴェーダ紀行 PART-5 アーユルヴェーダのハーブ薬
第33回 スリランカ・アーユルヴェーダ紀行 PART-6 シロダーラとアイ・トリートメント
第34回 スリランカ・アーユルヴェーダ紀行 PART-7 アーユルヴェーダのドーシャ・チェック
第35回 スリランカ・アーユルヴェーダ紀行 PART-8 バーベリン・リゾートでの充実した8日間
第36回 イギリスの温泉町 PART-1 上流社会の社交場として栄えた高級温泉保養地バース
第37回 イギリスの温泉町 PART-2 21世紀のバースに蘇ったスパ・コンプレックス「サーメ・バース・スパ」その1
第38回 イギリスの温泉町 PART-3 21世紀のバースに蘇ったスパ・コンプレックス「サーメ・バース・スパ」その2
第39回 イギリスの温泉町 PART-4 21世紀のバースに蘇ったスパ・コンプレックス「サーメ・バース・スパ」その3
第40回 イギリスの温泉町 PART-5 北イングランドの高級保養地 ハロゲイト その1
第41回 イギリスの温泉町 PART-6 ハロゲイトのターキッシュ・バス その2
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