![]() |
![]() |
||
![]() デトックスブームが続いている今、単なる「デトックス=毒素を出す美容健康法」という流れがちょっと心配、という旅行ジャーナリストの木谷朋子さん。世界各地を旅してきた旅のプロならではの視点で、さまざまなデトックス体験、健康・美容体験を世界各国の健康事情とともにお届けします。世界的な有名スパから気軽に行ける癒しスポットまで、ヘルシー美容&料理情報なども交えてご紹介します。 |
![]() |
||
◆ ミステリーの女王アガサ・クリスティの失踪先 華やかなりし貴族文化が栄えたバースが南の高級温泉保養地だったとすれば、19世紀、北イングランドの高級温泉保養地として有名だったのがハロゲイトです。世界遺産のバースと比べると日本での知名度はいまひとつかもしれませんが、以前私は同じヨークシャー地方のシェフィールドという町に住んでいたことがあり、近くにある中世都市ヨークとともに、ハロゲイトは好きな町のひとつでした。 ただ、ハロゲイトの名前を知ることになったのはもっと前。実は1本の映画がきっかけです。1979年公開の『アガサ愛の失踪事件』。ミステリーの女王として有名なアガサ・クリスティが、夫の浮気に耐えかねて11日間失踪したときのお話を映画化したものですが、このときのアガサの失踪先がハロゲイトでした。 映画でも温泉施設が出てきますが、この映画について、編集者のTさんにも話をしたところ、彼女もこの映画のことを覚えていたようだったので、イギリスへ行ったことがない方でも、ご存知の方はいるかもしれませんね。映画化もされましたが、夏樹静子訳の単行本もあるようです。 おぼろげですが、温泉施設のほか、アガサを演じたバネッサ・レッドグレープとアメリカ人の新聞記者を演じたダスティン・ホフマンのダンスシーンの場面だけを覚えています。アガサ本人はこのときの失踪事件について、後年語ることも書くことも一切なかったそうですが、ハロゲイトの温泉施設で11日間を過ごしたことは間違いないようです。 ◆ 日帰り強行軍でもお風呂とお菓子の魅力には勝てず! 実は今回の取材、ロンドン〜ハロゲイト日帰りという強行軍でした。ロンドンの友だちが「日帰りなんてもったいないよ〜」と言ったのも当然で、本来2泊はしたい場所。ただ、私自身がよく知っているエリアということもありますし、ターキッシュ・バスへ行くのが目的ですので、往復約6時間(ロンドンから列車で2時間半〜3時間程度)の行程もあまり気にならず。朝早く出れば、夜10時頃にはロンドンに戻れると考えて出発したのでした。 ここでハロゲイトの町について少し説明します。ハロゲイトは人口6万人ちょっとの小さな町です。現在は国際会議などもしばしば開かれるようですが、もともと高級ホテルや美味しいレストランが多く、1919年創業の「ベティーズ」とよばれるティールーム兼お菓子屋さんがあることでも有名です。ちなみに、私はこの「ベティーズ」でランチを食べてみたのですが、美味しくて美味しくて、もっと食べたい状態になってしまいました。デザートを追加オーダーして打ち止めましたが、「イギリス料理はまずいのでしょう〜」と言っている人達に、是非この店に行って欲しいと強く思う次第。洗練された味と素朴な味わいの両方を持ち合わせ、さらにヘルシーなメニューも用意されています。当然のごとくお菓子やパンも大充実。お菓子をのせたトロリーで席までお菓子を見せにきてくれるサービスもあります。 同じ高級保養地のバースの街並みと雰囲気が違うのは、建物の色のせいもあると思います。ハチミツ色のバース・ストーンに対し、こちらはグレイッシュな暗めのヨークシャー・ストーンの建物が主流です。街並みは19世紀当時(ヴィクトリア時代)とあまり変わっておらず、イギリスはもちろんヨーロッパ各地から上流階級の人々が温泉保養に訪れていたことを感じさせる、どこか優雅な雰囲気が残っています。今でもこの周辺の地方都市の中では所得の高い人たちが住んでいるところですので、物価はやや高め。高級デリや高級レストラン、アンティークの店が目立ちます。町の中に広がる美しい庭園や緑豊かな公園が綺麗に整備されていることからも、この町が非常に豊かであることが一目でわかります。 ◆ スパ・タウン「ハロゲイト」の歴史 ずいぶん昔になりますが、日本ではターキッシュ・バス(トルコ風呂)の名称が風俗店の名称だった時代があります。トルコ大使館の人や在日のトルコ人の人たちがその事実にショックを受けて(当然ですよね)抗議したことをきっかけに、違う名称に変わりました。トルコでは「ハマム」とよばれるこのターキッシュ・バス(トルコ風呂)。わかりやすく言うと「サウナ」のことです。 資料によると、ヴィクトリア時代のイギリスにはたくさんのターキッシュ・バスがあったようです。現存しているのは7箇所だけだそうで、ハロゲイトのターキッシュ・バスはその一つ。もともとハロゲイトがスパ・タウンになったのは、1571年に薬効のある鉱泉が出たのがきっかけで、19世紀後半にはハロゲイト・ロイヤル・バスとして10以上の入浴施設と最先端の温泉療法施設を備えたバースと劣らぬ、いやそれ以上のファッショナブルなスパ・タウンだったのです。 現在のターキッシュ・バスは1897年にオープンした温泉施設ですが、20世紀前半にはスパそのものが衰退し閉鎖されてしまいました。1970年代には建物の老朽化もあってスパを取り壊しカジノにする計画もあったそうですが、2002年にこの施設に投資をしたいという企業が現れたことで、スパとして復活。現在ハロゲイトの鉱泉はすでに枯れてしまっているのですが、ターキッシュ・バスに関しては、£596,700(約1億5千万円)の修復費をかけて大修復をし、2004年7月にヴィクトリア時代の姿を取り戻しました。現在はハロゲイト市が運営を行っています。 次回は、ターキッシュ・バスの体験談をご紹介します。
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ≫HOME | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Copyright (C) KENKO JOURNAL , Inc & KITANI TOMOKO All RightReserved |