世界デトックス紀行
デトックスブームが続いている今、単なる「デトックス=毒素を出す美容健康法」という流れがちょっと心配、という旅行ジャーナリストの木谷朋子さん。世界各地を旅してきた旅のプロならではの視点で、さまざまなデトックス体験、健康・美容体験を世界各国の健康事情とともにお届けします。世界的な有名スパから気軽に行ける癒しスポットまで、ヘルシー美容&料理情報なども交えてご紹介します。
 

木谷朋子
PHOTO:(株)タラソシステムジャパン
PHOTO:木谷朋子

第51回 日帰りで行けるシティ・スパ
「テルムマラン ヨコハマ ベイ」 PART3
スパキュイジーヌ

◆ アジアン・リゾートから広まったスパキュイジーヌ

欧米諸国やアジアン・リゾートから始まった全世界的なスパブームの到来で、日本でも「スパ」という名前はすでに認知され始めています。しかし、「スパキュイジーヌ」という言葉については、まだまだ一般には浸透していないように感じます。また、今でもすべてのスパにスパキュイジーヌがあるわけではありませんので、スパを予約する際に聞いておくとよいと思います。

簡単に説明すると、「スパキュイジーヌ」とはスパで出す食事のことです。ヘルシーメニューを中心に、カラダに良い食材が選ばれているのが特徴。以前ご紹介したスリランカのアーユルヴェーダ・リゾート(バーベリンリゾート)(第28回〜第35回)では1日3回食事が出ていましたが、出てくる食事はまさに究極のスパキュイジーヌでした。多種類の野菜とフルーツ中心のメニューに肉と魚は少々。砂糖などは極力使わないヘルシーメニューが中心で、味もおいしく、いわゆるスリランカ料理とはまったく違うものでした。リゾート内のレストランには栄養士の女性が食事の時間に常駐し、その人の体調にあった食事を教えてくれるなど、食がいかに人間の健康に直結するものであるかを感じさせてくれる施設でした。

さて、かくいう私が「スパキュイジーヌ」の存在を知ったのは、今から7〜8年前のこと。タイの高級スパで紹介されて以来興味を持ち、その後プライベートで出かけたプーケット島のお気に入りスパで、施術の後に出していただいたヘルシーメニューに目が釘付けになったのがそもそもの始まりです。

バンコクで大量に購入したスパ関係の本の中にも、スパの紹介とともに、スパキュイジーヌやそのレシピなどが紹介されており、「スパで食事を出すことが今後はトレンドになる!」と思って楽しみにしていました。

◆ 美しさと健康は内側から整える!

実際、21世紀に入り、美容界では「内外美容」という名のもと、「美しさは内側から整える」、「健康であることが美しくあることを支える」といった考えが主流となりつつあります。いくら高級クリームや美容液を毎日使っていても、たとえプチ整形をしても、朝食を抜いたり、ジャンクフードやお菓子を食べてばかりいたら、決して美しさを保つことはできません。美しくなりたいならまずは健康的な生活をすること。不規則な生活をすることもNG。適度な運動とカラダに良い食事を適量とり、適切な休息をとることが健康、すなわち美容には不可欠だといわれています。世界的な一流モデルの人たちが、生活習慣と運動、食事に気をつけているのは当然ともいえますね。

もちろんスピーディな現代社会で暮らす私たちが、運動、食事、休息(睡眠)のすべてを完璧にはできないかもしれませんが、食の大切さは現在「食育」という流れにもつながっていますので、スパキュイジーヌもその一環と私はとらえています。

そういった流れもあり、「テルムマラン ヨコハマ ベイ」にスパキュイジーヌが登場したと聞き、「どんな料理が出るのだろう」と思って注目していました。

広報の渡邉さんによると、勝浦の「テルムマラン パシフィーク」では、地元の新鮮な食材を極力使うというコンセプト、「テルムマラン ヨコハマ ベイ」ではマクロビオティックをコンセプトにメニュー作りが行われているそうです。

もともと横浜港を見渡せる館内のカフェでは、1年前のオープン当初は、オーガニッククッキーとドリンクといったおやつ程度の食事しか出していなかったそうです。ところが、温海水プール「アクアトニック」に入ると、新陳代謝が急激に促され、全身の血行も非常に良くなる上、運動効果が高いこともあって、おなかがとてもすきます。食事を出して欲しいというリクエストが利用者から多かったため、2007年6月に、素材にこだわった安心な食材のみを使用するヘルス・コンシャス(健康を意識した)なスタイルのメニューを作り上げたということです。

このマクロビオティック・メニューを作成した岩邊さんにその詳細について伺ったところ、現在は「洋風プレート」と「和風プレート」の2種類のメニューを用意し、食材には肉類や乳製品、砂糖や添加物を一切使用せず、有機野菜や玄米、天然酵母のパンなど、心と身体にやさしい食材だけを利用しているとのことでした。以下はメニューの詳細です。取材では洋風プレートをいただきましたので、赤字で書かれているのは私の感想です。

●洋風プレート(¥735) 
(1)テルムマランオリジナルのパン
北海道産の全粒粉(天然酵母)の小麦粉を使った独自の製法による素朴な香りと食感が楽しめるパン。保存料などの添加物はもちろん、砂糖、バター、ミルクも一切使用していません。身体に優しい植物性乳酸菌と、フランスのブルターニュの自然塩「ゲランドの塩」を使用しています。パンの種類はプレーン、セサミ、ライプオリーブ、五穀ブレンドの4種類。2つをチョイスできます。食べるときには、オリーブオイルをつけて食べますが、このオリーブオイルももちろんエキストラバージンオイル。ゲランドの塩がちょっぴり入っているため、味にさらに深みがでて美味しくなっています。 とにかくこのパンの美味しさに感激しました!あまりに美味しくて、毎日食べたいと思うほど!販売してくれたら絶対買いたいです。このカフェでは、オーダーがあってから焼くので、焼きたての味が食べられます!

  • とにかくこのパンの美味しさに感激しました!あまりに美味しくて、毎日食べたいと思うほど!販売してくれたら絶対買いたいです。このカフェでは、オーダーがあってから焼くので、焼きたての味が食べられます!

(2)オーガニックサラダ
ルッコラ、水菜、ビート、ターサイ、ピノグリーン、レタス、ホウレンソウなど、新鮮な有機野菜を7種類使ったサラダ。ドレッシングには動物性のものを一切使用せず、豆乳から作られた豆腐マヨネーズを添えています。

  • 野菜本来の自然の味が楽しめるのがポイントです。このサラダも絶品で、どこで野菜を購入しているのか、知りたくなりました。

(3)オーガニックケーキ
甜菜糖(テンサイトウ)を使って作ったナチュラルスイーツ。チョコレーズンと紅茶の2種類のケーキには、砂糖、卵、バター、化学調味料を一切使用せず、厳選された国産の小麦粉を使っています。素朴な甘みと食感が楽しめます。

  • 砂糖不使用でここまで美味しいスイーツができることに驚きました。紅茶好きな私は、紅茶ケーキをもう1個欲しかったくらい!砂糖や卵を使ったケーキと遜色ない味です。

(4)コンフィチュール
フランスのボルドーの畑で有機農法によって栽培されたオーガニックフルーツを旬の時期に収穫し、砂糖を加えずに100%フルーツだけで作ったコンフィチュール。種類はアプリコットとプラムの2種類(注:コンフィチュールとはジャムのフランス語です)。

  • コンフィチュールという言葉もだいぶ日本では浸透してきていますね。六本木ミッドタウンにもベルギーの王室御用達のコンフィチュール専門店がオープンしていたのでびっくりしました。コンフィチュールの味はその原料となるフルーツの質に出来が左右されます。テルムマランでは、フルーツのもつ栄養分と美味しさを最大限に引き出した自然の甘さが味わえるフランス直輸入の製品を取り寄せていました。フランスのコンフィチュールはなぜだかわかりませんが、世界的にみても本当に美味しいんです!

● 和風プレート(¥735)
(1)有機の玄米ご飯
(2)有機のきんぴらごぼう
(3)温野菜(かぼちゃ、ブロッコリー、ニンジン、キャベツなどの皮付き野菜)の豆腐マヨネーズ添え
(4)有機味噌とわかめのお味噌汁

このほか、プチスイーツ3種セットやガレット・パレットなど、カフェメニューもあります。カフェではバスローブを着たままで食事が楽しめますし、ドリンクは無料(一部有機フレッシュジュースなどは有料)。ハーブティーやデザートなど、身体に優しいメニューが揃っています。次回は「和風プレート」も食べてみたいのですが、テルムマランオリジナルパンの美味しさを今もって忘れられない私としては、迷うところ。スパキュイジーヌと銘打ったテルムマランオリジナルのマクロビオティック・メニュー、ぜひ一度食べてみてください。

次回は、今回ご紹介した「マクロビオティック」のことをもう少し詳しくご紹介したいと思います。【2007年10月4日】

テルムマラン ヨコハマ ベイ

神奈川県横浜市神奈川区金港町1−10 横浜ベイクォーター6・7F
営業日 年中無休
営業時間 10:00〜22:00(平日・土曜)、9:00〜21:00(日・祝日)
TEL.045-450-7161(受付時間11:00〜20:00)
ウエブサイト http://www.thalasso.jp/tmyb/index.html

 

 



スパキュイジーヌが食べられるのは、ランチどきの11時〜14時、夜は16〜19時。それ以外の時間はドリンクやカフェメニューがサーブされます



寒くない時期には外のテラススペースのテーブルでも過ごせます



バスローブ着用でゆったり過ごせるカフェスペース



2007年6月からスタートしたスパキュイジーヌ「洋風プレート」



取材時にはハーブティー「ローズヒップ」を注文してみました!



フランス産のガレットやオーガニッククッキーなど、プチスイーツ系メニューや有機のフレッシュジュースも用意されています



「スパキュイジーヌ」の説明をしてくださった料理メニュー担当の岩邊さん。今後の新メニューにも期待してます!

第40回以前のコラムはこちら
第41回 イギリスの温泉町 PART-6 ハロゲイトのターキッシュ・バス その2
第42回 イギリスの温泉町 PART-7 ハロゲイトのターキッシュ・バス その3
第43回 映画『ミス・ポター』のロケ地「湖水地方」で見つけた湖畔のスパ・ホテル
第44回 ハワイの名門ホテル「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」
第45回 「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」のスパ・スイート
第46回 スピリチュアル・アイランド ハワイの大自然に宿る神秘
第47回 スピリチュアル・アイランド ハワイのスピリチュアル・スポット
第48回 映画『ミス・ポター』と湖水地方
第49回 日帰りで行けるシティ・スパ「テルムマラン ヨコハマ ベイ」 PART1
第50回 日帰りで行けるシティ・スパ「テルムマラン ヨコハマ ベイ」 PART2
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