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![]() デトックスブームが続いている今、単なる「デトックス=毒素を出す美容健康法」という流れがちょっと心配、という旅行ジャーナリストの木谷朋子さん。世界各地を旅してきた旅のプロならではの視点で、さまざまなデトックス体験、健康・美容体験を世界各国の健康事情とともにお届けします。世界的な有名スパから気軽に行ける癒しスポットまで、ヘルシー美容&料理情報なども交えてご紹介します。 |
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◆ スーパーモデルから始まったマクロビオティック 今回は、「テルムマラン ヨコハマ ベイ」でスパキュイジーヌに採用している「マクロビオティック」のことを、説明しておこうと思います。 私が初めて「マクロビオティック」の名前を知ったのは90年代後半のニューヨークでした。ちょうど10年ほど前のことです。ニューヨークのマクロビオティック専門のデリを取材したのをきっかけに、その後、ニューヨークやロンドンでもレストランやスーパーマーケット、デリなどで、オーガニックという言葉を頻繁に聞くようになった記憶があります。 最初に取材したニューヨークのデリは、アッパーイーストというお金持ちがたくさん住むエリアにあり、ニューヨーカーの中でも、ハイソな人たちの健康志向の高まりでオープンしたものでした。 90年代の世界の美容の先端は、世界のファッション・リーダーだったスーパーモデルやハリウッド女優など、アメリカのセレブから発信される傾向が強く、ハリウッドヨガに代表されるヨガやピラティスブームなども、その一端だったと思います。 今もその傾向は変わらず存在しますが、21世紀に入ると、欧米のセレブやアスリートだけでなく、アジアの漢方やアーユルヴェーダなどの自然療法や、医食同源の世界、アジアン・スパの影響など、世界の健康や美容の発信方法は、もっとグローバルに多様化してきています。 一方、90年代の日本では「オーガニックフード」を一部の専門店などでは扱っていたものの、まだまだ「ナチュラルフード」という自然食の括りの中での扱いでした。日本でも10年以上前にはすでに自然食ブームがありましたが、「マクロビオティック」という言葉の方は、まだ一般にはほとんど知られていなかったように思います。 あれから10年以上の時がたち、日本でもすでに「オーガニック」という言葉は浸透してきています。「オーガニックフード」と言えば「無添加の自然食品」、「オーガニックサラダ」と言えば「農薬などを使わない有機栽培の野菜」を指すことくらいは、多くの人がなんとなく理解してきているのではないでしょうか。 ◆ マクロビオティックは日本が発祥地という意外な事実 「マクロビオティック」という言葉は実はフランス語読みです。英語で発音すると「マクロバイオティックス」となり、マクロ(大きな)、バイオ(生命の)、ティック(方法)の3つの単語をつなげた新しい単語(造語)です。90年代にアメリカを中心とする欧米で注目された自然食のことですが、「長寿食」「東洋の長寿食」の意味も含まれています。日本語では「正育」と呼ぶそうですが、なんだか真面目なイメージですね。 私も知って驚いたのですが、「マクロビオティック」を確立したのは、日本人の故桜沢如一先生だということです。古くから日本にある伝統食を東洋思想のベースとなる陰陽説「易」の原理にあてはめ、「玄米食」という食事法を確立して世界に広めたのが桜沢先生でした。 桜沢先生は、すべての健康な身体、精神、病気は、食べ物と環境に大きく左右されるという考え方のもと、現代人が抱える多くの病気の元は、誤った食にあるとする理論を提唱。日本でも今では「生活習慣病」が真剣に論議されるようになってきていますが、マクロビオティック最先端のアメリカでは、すでに70年代後半以降、肉食中心の食生活によって大量の肥満が社会問題になっていました。そのため、従来の食生活を変える必要があるということで、ドラスティックな食生活の改善が急務となり、それが「マクロビオティック」が注目される大きな要因となったのです。 90年代にマクロビオティックがアメリカやフランス、ベルギーなどのヨーロッパでブームになったときは、細い体型を維持しなくてはならない上、体力が求められるバレーリーナやダンサー、スーパーモデルなどが実践したことで注目されましたが、もともとは「生活習慣病対策」で取り入れられた食事法です。 また、マドンナやマイケル・ジャクソン、クリントン元大統領といった著名人たちが「マクロビ(マクロビオティックの略称)」を実践することで、さらに一般に浸透していったということですが、そういう意味では、日本での浸透度はイマイチ、という気がします。逆輸入で最近「マクロビオティック」の名を聞くようになってはきていますが、日本で広く一般には広まるにはもう少し時間がかかりそうですね。 ◆ マクロビオティックとはどんな食事法? 「動物性たんぱく質を減らす」、「脂肪を減らす」、「野菜を中心とする食事をする」というのが、マクロビオティックの食事法の基本です。もっと細かく言うと、以下のような食事法を指します。
こう書いてみて、<1>〜<5>のようにここまで徹底した食事法をとりいれるのは、最初はなかなか難しいだろうな〜と感じました。マクロビオティックの食事法を見ていると、中国や韓国の「漢方や韓方医学」の世界観、そして「医食同源」や「薬食同源」の考え方と同じものを感じますし、ソウルでの精進料理(第24回)を思い出しました。「食は医に通じる」、「食は薬である」といった考え方は、桜沢先生の理論と同じですね。 また、スリランカのアーユルヴェーダ・リゾートでの徹底した食事管理も、マクロビオティックとかなり似通った考え方です。 近年、日本でも従来の伝統食から欧米型の食生活になった影響で、肥満や生活習慣病が激増。その対策が真剣に行われるようなりましたが、動物性食品を減らすのは日常生活ではかなり困難です。私も「旬の食材を使った野菜中心の食生活」を心がけてはいるものの、<4>に関しては知識不足を感じていますし、<5>の30回噛むも実践できていません。<1><2><3>に関しては、家での料理で実践すべく、今後は少し食生活を見直したいと思っています。 今回取材させていただいた「テルムマラン ヨコハマ ベイ」でも、有機野菜に野菜本来の自然の味がしっかり備わっていましたし、パンも保存料、砂糖、ミルクを一切使用せず、全粒粉の天然酵母の小麦粉だけで作られた焼きたてパンをお客様にサーブ。さらにコンフィチュール(ジャム)にも砂糖をまったく使わず、フルーツの甘みを生かしたすばらしい味でした。 添加物や保存料、着色料をたくさん使った味の濃い食事に慣れていると、私たちはそれぞれの素材の味が生かされた美味しい料理を、美味しいと感じなくなってしまう恐れがあります。いろいろな食べ物が口に入る時代だからこそ、「繊細な味をわかる舌だけはもっていたい。味覚音痴だけにはなりたくないな〜」と思います。私もこれからは少し意識して「マクロビオティック」を少しずつ日常生活に取り入れてみようと考えています。(2007年10月11日)
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