世界デトックス紀行
デトックスブームが続いている今、単なる「デトックス=毒素を出す美容健康法」という流れがちょっと心配、という旅行ジャーナリストの木谷朋子さん。世界各地を旅してきた旅のプロならではの視点で、さまざまなデトックス体験、健康・美容体験を世界各国の健康事情とともにお届けします。世界的な有名スパから気軽に行ける癒しスポットまで、ヘルシー美容&料理情報なども交えてご紹介します。
 

木谷朋子

第56回 2時間で行けるアジアンリゾート
済州島(チェジュド) PART1

◆ ロケ地人気で日本からの観光客が増大中

今回から4回にわたって、韓国最南端の島「済州島(チェジュド)」について、ご紹介します。初回は、済州島という島がどういう場所なのかを書いてみたいと思います。

ソウルへはすでに何回か行っている人でも済州島に関しては未上陸という方、まだまだ多いのではないでしょうか?かくいう私も以前はそういったソウルリピーターの一人でした。

韓国の地方取材に出かけるようになったのは、実は『冬のソナタ』放映後に起こった韓国ドラマブームのおかげです。済州島は、さまざまな韓国ドラマや映画で、かなり頻繁にロケ地として登場する有名ロケ地の一つ。私も何回か取材に出かけました。最初に行ったのはイ・ビョンホン主演のドラマ『オールイン運命の愛』が日本で放映中の頃。このドラマの80%が実は済州島で撮影されています。特に舞台がホテルのカジノであったこともあって、南部のラグジュアリーホテルの3軒ロッテホテル済州新羅ハイアットリージェンシー済州が主要ロケ地になりました。

また、主要ロケ地のソプチコジと呼ばれる島の東端にある奇岩の岬に、「オールインハウス」と呼ばれるドラマ博物館が2005年6月に建設されています。この建物は、撮影時にセットとして建てた修道院が台風で吹き飛んでしまったため、南済州郡、オールイン制作会社、SBSプロダクションが共同出資して建設したもので、総工費30億円をかけたドラマ記念館です。私はこの岬の場所がドラマ放映時からとても好きだったのですが、済州島では年間を通して最も風の強いエリアだということでした。海からの風がまともに岬にあたる場所だからでしょう。

2005年は、韓国内でこういったドラマ関連の建物が次々と建設されたり公開された年で、その後現在までも、各地でロケ地を観光名所に誘致する計画が行われています。

◆ 2泊3日で楽しめるアジアンリゾート

済州島という島は、韓国のハワイと呼ばれる場所です。日本からの飛行距離も短く大阪や福岡など関西方面からだったら約2時間。東京からは約2時間45分で行くことができる身近なリゾート。2006年3月には成田から済州島への直行便が週4便からデイリーになったことで、以前よりもさらに便利になっています。

韓国本土からは約90km離れていて、広さは大阪府の面積とほぼ同じです。もともとは島のシンボルとなっている標高1,950mの漢拏山(ハルラサン)が数十万年前に爆発してできた火山島ですが、現在は死火山です。韓国本土とは違う独自の古い歴史や文化、習慣、言葉が残っているところで、ちょっと雰囲気が沖縄に似ているな〜と感じました。距離的にも近いことから交易もしていましたし、倭寇(日本の海賊)も多数来襲していたようです。15世紀に朝鮮王朝に吸収された後は、朝鮮王朝の政治犯の流刑地になっていた時期もありました。

済州島は、昔から「三多・三無・三宝の島」と呼ばれています。
三多とは、@風が多い(強い) A石(溶岩)が多い B女性(海女)が多い
三無とは、@貧しい人がいない A泥棒がいない B家の門がない 
三宝とは、@昔から変わらない方言 Aさまざまな植物や動物がいる豊かな自然 B豊かな自然と豊富な海産物に恵まれた海のこと。

いにしえの昔から島の生活は決して豊かではありませんでしたが、苦しい生活が続いても島の治安が悪くならなかったのは、島民たちが互いに助け合って貧しい暮らしを乗り切ろうと努力していたからだといいます。島の治安の良さは今でも続く済州島の魅力の一つですが、これは島独特のものかもしれません。ソウルっ子たちがソウルの喧騒から離れて済州島に遊びにきたり、のんびりしにくるのも、なんとなくわかるような気がします。すごくほっとできる空間が済州島にはあります。

また、済州島は暖流の影響で韓国内では最も暖かい場所です。以前は新婚旅行先ナンバーワンを誇っていましたが、現在は幅広い年齢層の旅行者が訪れていて、カップル客は相変わらず多いものの、夏には家族連れの海水浴客や釣り客、海外移住した韓国人など、国内の旅先としてはダントツに人気があります。ソウルから飛行機で1時間ですし、ソウルから1時間に1本は済州島への飛行機が飛んでいることを考えても、気軽に行けるリゾートなのだと思います。

近年は海外からの観光客も増え、その一番のお客様が日本人です。時差もなく、日本語の通じる場所が多いため、日本人にとって済州島は国内感覚で過ごせるリゾート。日本人観光客の場合は、リゾートホテルでのんびりするというより、島をいろいろ観光したり、ロケ地を見たりと、動き回る人が多いようです。

◆ ヨンさま最新ドラマ『太王四神記』のロケ地も建設

この12月からペ・ヨンジュン主演のファンタジー時代劇『太王四神記』が日本でも放映(NHKBSハイビジョン)されます。実は、この撮影のメインとなった宮殿のセット場が済州島北東部の猫山峰に作られたことでも話題となっています。このドラマは『冬のソナタ』以来のヨン様主演ドラマということで、制作される前から注目されていたドラマなのですが、いろいろあって韓国でも9月にようやくオンエアされたばかり。ドラマ撮影中はヨン様ファンが済州島に殺到していたそうです。

このドラマのロケ地誘致に関しても、当初は韓国北部の江原道に決定していたのを、済州島が誘致を熱心にドラマ関係者に働きかけ、最終的に済州島で撮影が行われることになったという経緯があります。このセットをドラマ撮影後、『宮廷女官チャングムの誓い』で観光客が殺到した「チャングムテーマパーク」以上に大きいテーマパークにしたいようですが、これもドラマがどのくらいヒットするかにかかっていますね。ちなみに韓国での9月からの視聴率は好調で毎回30%を超える人気だとか。日本での放映はどうなるでしょう?

次回は、済州島最大級のラグジュアリーリゾートが集まる「中文観光団地」と呼ばれる大型高級リゾートエリアを中心にご紹介します。(2007年11月16日)

韓国観光公社(済州)
http://japanese.tour2korea.com/

 

 



済州島(チェジュド)の北西に位置する海水浴場「挟才海水浴場(ヒョプチェヘスヨクジャン)」。貝殻の粒が混ざる真っ白なサンドビーチで、水深1.2メートルと遠浅なこともあって、7〜8月には海水浴客で賑わいます。写真の馬は済州島生まれの馬「チョラン馬」。体が小さく、首と足が短くポニータイプのぽっちゃりした体型



ロッテホテルの夜景。ドラマ『オールイン運命の愛』の撮影時には、ホテルを営業しながら約3ヶ月間撮影が行われ、風車をバックにした美しい夜景が何度も登場しました。庭には「オールインベンチ」が残っています



ロッテホテル済州や済州新羅、ハイアットリージェンシー済州など、高級リゾートホテルが林立する中文観光団地はチェジュドの南側の海岸沿いにあります。写真は中文海岸



済州島の東端にある奇岩の岬「ソプチコジ」。ドラマ『オールイン運命の愛』の撮影地になったことで知名度をあげ、撮影後にはドラマ記念館「オールインハウス」が建設されました



2005年6月に総工費30億ウォンをかけて完成した「オールインハウス」。中にはドラマで使った衣装や小道具、台本のほか、撮影時のスチール写真が展示されています。カフェやショップもあります



ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』の撮影地の一つ「済州民俗村」。19世紀のチェジュドの文化や風俗がそのままのカタチで再現された野外型の歴史テーマパーク。15万8,000uという広大な敷地面積の中に、約100軒の萱葺き屋根の家が移築されています。これらの家は約30年前まで島民が実際に住んでいた住居です



済州島を代表する景勝地「城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)」。2007年世界遺産に指定されたばかり。峰と呼ばれているが実は噴火口のひとつ。海底の溶岩が噴出してできた寄生火山で、周囲1.5km、高さ180m。頂上の噴火口は今では約3万坪の草原になっています。また、城山日出峰の頂上から望む日の出は、「瀛州(ヨンジュ)十二景」の第一景。日の出の名所として有名です



12月から日本でも放映予定のファンタジー時代劇『太王四神記』の主要ロケ地「猫山峰」(ミョサンボン)。実はこの写真はちょっと古く、ドラマの撮影セットが組まれる前のもの。測量をしている頃に撮影したものです
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