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![]() デトックスブームが続いている今、単なる「デトックス=毒素を出す美容健康法」という流れがちょっと心配、という旅行ジャーナリストの木谷朋子さん。世界各地を旅してきた旅のプロならではの視点で、さまざまなデトックス体験、健康・美容体験を世界各国の健康事情とともにお届けします。世界的な有名スパから気軽に行ける癒しスポットまで、ヘルシー美容&料理情報なども交えてご紹介します。 |
![]() PHOTO : ドイツ観光局 |
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◆ 温泉大国ドイツの温泉事情 今年最初の「世界デトックス紀行」は、ドイツを代表する高級温泉保養地バーデン・バーデンをご紹介したいと思います。 何を隠そう、私が最初にスパという存在に興味をもったのは、ヨーロッパの温泉との出会いがきっかけ。以前ご紹介したハンガリー(第17回〜第19回)と並び、ドイツの温泉施設を最初に訪れたのは、今から10数年前ですが、その後も何度か訪れ、すっかりバーデン・バーデンが好きになりました。 まだまだ日本人の多くは「温泉は日本だけのもの」と思い込んでいる人が多いようです。しかし、ドイツにはホテルや治療施設が整っている温泉保養地が300以上あり、それぞれの保養地の薬効を含めた医学的な効果についても、国からきちんと認定されています。 10年以上前に初めて取材に行ったとき、「ドイツでは温泉保養地で療養治療する費用にも、健康保険が適用されている」と聞きびっくり。一部自己負担などもありますが、温泉保養地でかかった医者の診断書による治療費(療養費)は、健康保険や年金保険などの対象になるのが一般的。その当時の日本では「スパってエステ?」とかまだ言っていた時代です。こういったドイツ人の温泉好きと健康志向は、日本人の温泉好きとは違い、健康への関心の高さにつながっていると思います。今では日本でも言われていますが、「美しくあるためには健康であることが大切」という認識が、すでに10年以上前にドイツには根づいていました。 日本でも、昔から「湯治」という言葉があり、一部の人の間では温泉療養が医療行為として認識されていますが、多くの温泉愛好家の間では、リラクゼーションの域をまだ出ていないような気がします。 ◆ 高級保養地バーデン・バーデンの温泉の歴史 現在ドイツにある300近い保養地のうち、約135ヵ所が鉱泉と温泉浴、泥土浴中心の温泉保養地です。そのほか、気候や空気の良い保養地が約50ヵ所、クナイプ療法をメインとする保養地が約70ヵ所、海辺の保養地が約45ヵ所あります。 バーデン・バーデンはその中でも温泉保養地としての歴史がダントツに古く、遡ること紀元75年という歴史ある温泉町です。3世紀にはローマのカラカラ帝がこの温泉を利用したという記述も残っています。 最初にこの地の温泉に目をつけたのは、ローマ帝国の兵士たちでした。以前イギリスの温泉町バースのことを書きましたが(第36回〜第39回)、イギリスのバースとドイツのバーデン・バーデンは、温泉町としての発達のしかたや、歴史的な繁栄の時期、町の雰囲気がとても似ています。 バーデン・バーデンも、ローマ人たちが去った後、温泉文化が一時期廃れますが、中世時代(15〜16世紀)に復活。この時期に神聖ローマ帝国の皇帝たちや貴族たちがバーデン・バーデンの温泉に入るために訪れるようになります。さらに19世紀から20世紀にかけては、上流階級や文化人の夏の社交場として栄え、ビスマルクなどの政治家、プロシア王をはじめ、ドストエフスキーやトルストイ、ゲーテ、ヘルマン・ヘッセといった有名作家や、モーツァルト、ブラームス、ショパン、ワーグナー、シューマン、リヒャルト・ストラウスといった音楽家や著名な画家たちが頻繁に訪れていました。 こういった国内外の王侯貴族や文化人たちがこぞって逗留した歴史的な高級保養地としての側面は、今でも数多く残る由緒あるラグジュアリー・ホテルや、クアハウスの中にあるカジノやコンサートホール、おしゃれなカフェやショップが連なる町の中に残っています。 ドイツでは温泉保養地にカジノがあるのはかなり一般的なことで、驚くにはあたらないのですが、日本の温泉とのあまりの違いに、私も最初は驚きました。日本のひなびた温泉町もなかなか風情がありますが、バーデン・バーデンには「優雅」という言葉がぴったり。お国柄もありますが、休暇のありかたを聞くうちに、ドイツ人には日々の生活に余裕があると感じました。 ◆ ドイツで実感した「健康を維持するための休暇と休養の必要性」 ドイツには「健康を維持するためには休暇や休養が大事」、「仕事の効率を上げるためには休暇が必要」という考え方が根底にあり、これが日本人の働き方と根本的に違うため、休暇に対する考え方も大きく違ってきているのでしょう。休暇の少ない日本人には羨ましい話です。 ちなみに、バーデン・バーデンの場所ですが、南西ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州にあります。フランスとの国境にも近く、国境までは車で20分。フランス・アルザス地方の町ストラスブールまでは車で45分の距離にあります。フランスでちょっと食事をして帰ってくるということも可能な距離にあり、通勤圏でもあるので、フランスから通ってきているホテルスタッフもいました。 バーデン・バーデンのお湯は、炎症のあるリュウマチ性疾患や婦人病、心臓や循環器系、呼吸器系などに効果があります。夏には音楽祭が盛んに行われるほか、夕方からはカジノに繰り出す温泉保養客で賑わいますので、もしバーデン・バーデンに行かれるのなら、夏がやはりおすすめですね。また、町の周囲には、「黒い森」と呼ばれる広大な森林地帯(南北約160km、東西20〜60km)が広がっています。緑いっぱいの美しい自然も魅力の一つですし、フランスとドイツの文化が交じり合う地域ですので、料理を含め、両国の文化のコラボ感も楽しめます。
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