96歳 はいからさんのキッチンライフ


第1回 料理を楽しんでいますか?


96歳の料理研究家、藤木菊枝さん
96歳の料理研究家、藤木菊枝さん

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 まだ戦争前、お隣でやっていた料理教室の助手から始まって、戦後、料理教室を主宰したり、料理学校の副校長をやらせていただいたりと、わたしにとって「料理」は、生きていくために必要不可欠な、切っても切れない関係にありました。

 はるか昔、女学生のころからとにかくおいしいものが好きで、デパートの食堂に通い詰めて「カレーなら○○、サンドイッチなら○○」と、自分なりのランキングをつけていたくらいの食いしん坊でしたから、これは歩むべき「道」だったのかな、と思ったりもします。

 もちろん、いまでもわたしは食べること、料理をすることが大好き。自分の食べるものは自分で作り、器に気を遣い、盛り付け方もきっちりとして、食事の時間を楽しんでいます。

 食卓には必ず五品以上の料理が並びます。なかにはお気に入りの店で買った出来合いのものが並ぶこともありますが、基本はすべてわたしの作った料理たちです。もともと食いしん坊なわたしですから、1品だけの食卓は淋しくて、とても我慢ができません。年寄りですから、そんなにたくさん食べることはできませんが、ちょっとずつでも違った味があるのは楽しいことですし、いろいろなものをちょっとずつ食べるのは、栄養のバランスも整いますから、とてもいいことだと思うのです。

 1日にそんなにたくさん料理を作るなんてできない……なんて思われるかもしれませんね。でも大丈夫。作り置きしておいたものをちょっとずつ出して食べればいいのですから、そんなに難しく考えることはありませんよ。

 料理に合うお皿を用意して、箸置きも置いての食事。これほど楽しく、優雅な時間はありません。この時間がわたしにとってなによりも大切で、充実した時間。昼はなに食べよう、夜はなに食べようなんて考えていたら、忙しくてボケる暇もありませんよ。みなさんにも、ぜひお勧めします。

菊枝レシピ その1 蓮がたっぷりいなり寿司
 年末はなにかと忙しい季節。そしてお正月はゆっくりと、のんびりしていたいと思う季節。だからいなり寿司をたくさん作って、食べたいときにポン、と口にほおばるのもいいですね。
 わたしのいなり寿司はれんこんがたっぷり入った、ヘルシーいなり寿司です。わたしの家の、年末年始の「風物詩」でもあります。

蓮がたっぷりいなり寿司

【材料】 4人分

米 : 3合
油揚げ : 8枚
すし酢
  酢 : 大さじ4
  砂糖 : 大さじ4
  塩 : 小さじ1
  れんこん : 150g
調味料A
  酢 : 大さじ4
  砂糖 : 大さじ4)
調味料B
  薄口しょうゆ : 1/2カップ
  酒 : 1/2カップ
  砂糖 : 1/4カップ
  みりん : 1/2カップ
白ゴマ : 大さじ3
さんしょうの葉 : 適宜


◆ 作り方 ◆

  1. 米を洗いざるにあげて30分おき、同量の水で炊く。
  2. 米が炊けたら、すし桶またはボウルに移し、小鍋にすし酢の材料を火にかけ、ごはんを切るようにむらなく混ぜながら、同時にうちわであおぎ、つやを出す。
  3. れんこんは皮をむき、太めのものなら四つ割りに、普通の大きさなら縦半分に切り薄く刻み、酢水に浸して灰汁抜きをする。
  4. 鍋に水50cc、調味料Aを入れて煮立てる。3の水気を切ったれんこんを加えてひと煮し、火からおろす。このまま冷まして味を含める。
    ※さっと煮て火からおろし、味を含めると歯ごたえよく仕上がります。
  5. 油揚げは半分に切り、熱湯をかけ油抜きする。鍋に油揚げを並べ入れ、調味料Bのしょうゆの半量、酒、砂糖の半量、みりん、水1カップを加えて弱火で落としぶたをして煮る。5分程して味をみながら残りの調味料を加え汁がなくなるまで煮る。
  6. 2のごはんに、3の酢ばす、白ゴマを加えて混ぜ合わせる。
  7. 5の揚げの口の部分を中に折りいれて6のごはんを詰める。さんしょうの葉を飾る


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