このたび発行される村治昇先生の著作「先生! どんなふうに育てているの?」の編集を担当したFです。
先日、浜離宮朝日ホールで行われた村治佳織さん(言うまでもなく、村治昇先生の娘さんです!)のコンサートに行ってきました。
ジャズギタリスト、チェンバリスト、能管奏者、弦楽カルテットとバラエティ豊かな共演者と共に、4通りのプログラムを6日間で行うという好企画。15歳でデビューし12年のキャリアを持つ演奏家・村治佳織の魅力が存分に発揮されていました。
それにしても舞台に立つ佳織さんの凛とした美しさといったら!共演者とも実にいい雰囲気で(なんだか人気マンガ「のだめカンタービレ」の世界!?)、
例えばだじゃれを連発する共演者に笑顔できっぱり「さわやかに演奏しましょう!」と投げかけていたときの印象のように、軽やかなのに深みのあるギターの響き。
彼女の演奏から、クラシックギターファンになる人が多いというのもうなずけます。
さらにギターだけでなく、ナレーションやラジオパーソナリティーなど、「自分の興味あることを自然体に、ひとつひとつていねいに楽しみながらやっている」生き方が、同世代の女性として目標にしたい、と改めてまぶしくかんじてしまうのでした。
と、村治佳織さんの魅力を再確認しつつ、このタイミングで村治パパこと村治昇先生の「教育の本」を発行できることにすごーくわくわくしています。
この本の中に綴られているひとつひとつのことが、佳織さんのたたずまいを見、演奏を聴いていて腑に落ちました。
例えば・・・この本の中で村治先生は、「応用力のある子育てを!」と投げかけています。

子どもが幼児のときはまだ何もできないので、どうしても手取り足取り状態で何事も教えていきます。しかし年齢と共に自分で考える力がついてきているのに、それまでの習慣で手取り足取り状態が続いてしまうケースが往々にしてあるのです。

子どものほうに意志が出てきて、親がしようとしても拒否し、なんでも自分でやってみようとして成長を遂げていることを気づかせてくれる場合は良いのです。でも、先回りしてやってもらうことに慣れてしまい、そのまま楽をしながら成長してしまうと、当然、自分ですべきことができない困った状態を迎えることになるでしょう。

そうならないように幼児の時代からできるだけ自分で考え、できるだけ自分でやってみるという習慣を身に付けていきたいものです。

本人任せですと、どうしてもまどろっこしくて、答えを教えてしまったり、手伝って早く済ませたりしがちになります。でもそれでは自分で考える力も行動力もつきません。考えつくまで、できるまで、待ってあげるゆとりが必要です。

(本書より)

そうそう、こんなふうに「応用力」を重視する村治先生の考え方が、しっかり佳織さんに根付いているんだ、という印象を受けています。
クラシックの演奏家というと、「企画力」や「応用力」がない、というイメージがあるようですが、ことクラシックギタリスト村治佳織さんには、「豊富なアイディア」「新境地を開拓していくヴァイタリティー」を、多くの方が、おおいに期待しているからからこそ、今の不動の人気にもつながっているのでしょう。
今回の著書の中で村治先生の言う「子どもの教育で大切なこと」の多くは、ほとんどの人の意識にはある「あたりまえのこと」なのだけれど、なかなか「できていないこと」ばかりだと思います。(読んでいて、ちくっとくるところも多々…)
こういうことに気づかせてくれる文章が詰まったこの本は、「育てる」ことに携わっている方にとって、読むたびにハッとして、ずーっと大切に読める本だと思います!

◆このコーナーでは、村治昇先生著書「先生!どんなふうに育てているの?」の魅力を、随時伝えていきます!

バックナンバー
第1回 村治香織さんと
「応用力」
第2回 発表会のレベルが高い